GEアディティブ、世界最大級の金属3Dプリンターをコイワイから受注 日本初

 GEアディティブは15日、コイワイから、世界最大級の大型金属3Dプリンター「X LINE 2000R」を受注したと発表した。同製品の受注は日本では初めてで、コイワイが19年2月に稼働をさせる予定の宮城県・大河原町の新建屋に導入される。コイワイは新鋭機の導入により、従来の小型・中型機では難しかった自動車産業用の大型部品の試作や量産に取り組む見通し。

 「X LINE 2000R」は、世界最大級の大型造形サイズ(800×400×500ミリ、容積160L)を有するレーザービーム方式金属3Dプリンターで、大型の機能部品をデジタルデータから直接製造できる。これにより、小型・中型機では難しい航空宇宙や自動車産業などの大型部品の試作から量産までが対応できることになる。

 アルミやチタンなどの反応性材料にも対応し、1千ワットのレーザーを2台備えているため最大1時間当たり120ccの高い造形スピードが可能になっている。また造形モジュールを2台標準装備し、回転移動することで造形と取り出し(ハンドリング)を同時進行できるなど高い生産性も確保。大型装置として長時間安定して稼働できるよう、材料となるパウダーの自動供給装置も装備している。

 コイワイの小岩井豊己社長は「創業以来、試作鋳物造りに軸足を置きつつ、3Dプリンターを活用して試作から量産へとスピーディな『ものづくり』を追求し、鋳造業界に新たなビジネスモデルを確立してきた。現在は東北において金属3Dプリンターを使った量産へ向けた事業に注力している。今回のX LINE 2000R導入により、大型部品の試作および量産化が可能となり、自動車業界や航空宇宙業界などの顧客ニーズにより的確に応えることができるようになる」と話した。

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