吉川農相 あす諫干視察 知事や開門派原告らと会談

 国営諫早湾干拓事業の開門問題を巡り、吉川貴盛農相は16日の閣議後の会見で、長崎、佐賀両県を18日に訪れ、干拓農地や有明海の現状を視察すると発表した。両県知事や農漁業関係者らと意見交換し、開門派の原告や弁護団とも会う。
 吉川農相は2日の就任会見で、排水門を開門せず、有明海再生に向けた基金創設による和解を目指すこれまでの国の方針に沿って対応していく考えを表明。16日の会見では、両県訪問に関して「両県知事、関係者の皆さんのお話を聞きながら、(非開門の)考えを伝えていければ」と述べた。
 18日は先に本県入りし、諫早市の中央干拓地や北部排水門を視察。佐賀では船上から有明海を見る。
 歴代農相は、国に開門を命じた2010年の福岡高裁判決が確定して以降、両県の訪問を続けている。前任の斎藤健農相は昨年11月の両県訪問時、開門派の原告・弁護団とは意見交換しなかった。

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