「リレーコラム」進化続けるBMXフリースタイル・パーク

2020年東京五輪新種目

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全日本BMXパーク、女子エリート決勝の大池水杜=岡山市

 岡山駅から岡山市役所に続く大通りを歩いていた。遠くの方に小さく見えていた市役所が大きくなるにつれて「まさか」という思いが大きくなる。

 目的地だった自転車BMXフリースタイル・パークの全日本選手権会場に到着。「こんな場所でやっているのか」と驚いた。

 岡山市役所の裏手でやっていると思い込んでいたが、特設パークが設けられていたのは大きな交差点と通りに面した駐車場で、まさに“一等地”だった。

 BMXフリースタイル・パークは2020年東京五輪の新種目。すでに五輪で実施され、着順を競うBMXレースとは別種目で、技の難易度や完成度、構成で順位をつける。

 国際オリンピック委員会(IOC)が重視する若者に人気のスポーツだ。日本ではこれまでもジャパンカップなどの大会が行われていたが、五輪種目となったことで育成や強化が加速。全日本選手権は昨年に続く2度目の開催だった。

 昨年の大会は岡山市内の公園内にパークをつくり、滑走面は木の板。板が傷つけばテープで補修していた。

 約1年後の今年9月。第2回大会は進化を遂げていた。場所は前述の通り。パーク自体も都村製作所の協力を得て、BMX専用の面材を滑走面に使うなど、大幅にグレードアップしていた。

 1年前に運動部のペン記者として取材したのは恐らく自分一人だったが、今回は報道陣の数も大幅に増え、優勝者は多くのテレビカメラに囲まれた。

 大会の盛り上がり方は他のスポーツとは少し違う。入場無料のため、通りを歩いていた人が「何をやっているんだろう」と興味を持てば、そのままふらっと入れる。

 会場ではテンポのいい音楽が流れ、DJがマイクを握る。選手のプロフィルやトリックを紹介するDJの巧みなトークも面白い。

 スポーツ現場というより、ライブ会場の一角にいるような感覚で観戦できるのは「都市型スポーツ」の特徴だろう。

 実はこの種目とはちょっとした縁がある。大学時代、BMXを輸入していた会社でアルバイトをしていた私は、そのつながりで何人かのライダーと知り合った。

 時は流れて2017年。自転車担当となり、BMXフリースタイル・パークが五輪種目に採用されるのを契機にいろいろと調べてみると、全日本フリースタイルBMX連盟(JFBF)の名簿に見覚えのある名前があった。学生時代に知り合ったライダーが連盟で働いていたのだ。

 久しぶりに連絡を取ってみると、先方も自分のことを覚えていてくれた。お互いに年齢は重ねたものの、関係は昔と変わらない。不思議な縁を感じながら、取材させてもらっている。

 今年の全日本選手権は大きな盛り上がりとともに幕を閉じた。

 JFBFによると、来場者数は昨年の約2000人を大きく上回り、約8000人だったという。来年の日本選手権は東京で開催する予定で、今年以上に注目を集めそうだ。

 東京五輪まで2年を切り、スポーツ界全体への関心が高まる中、進化を続ける新種目から目が離せない。

岡田 康幹(おかだ・やすき)プロフィル

2010年共同通信入社。福岡支社運動部、広島支局でプロ野球を担当し、17年1月に東京本社運動部へ異動。バドミントンや陸上など一般スポーツを取材する。東京都出身。