米国の著名ラッパー「T.I.（ティーアイ）」（本名クリフォード・ハリスさん）が自身のツイッターに、新曲のプロモーションビデオクリップを掲載したところ、米大統領夫人メラニアさんの報道担当者が激怒する騒ぎとなった。クリップにはメラニアさんに似た女性が裸で踊る姿が写っていたからだ。
クリップは１３日にアップされたが、オーバルオフィス（大統領執務室）を模したセットで大きな机に座るT.I.の前に、「私は本当にどうでもいい。あなたは？」と背中に大きく書かれたジャケットを着た女性が現れた後、ジャケットを脱ぎ裸で踊る姿が映し出されている。T.I.は葉巻を吸いながら、この女性を眺めている。
メラニア夫人は６月、不法移民の親から引き離された子どもが収容されている南部テキサス州の施設を訪問した際、同様の文言が書かれたジャケットを着用し話題となっており、メラニア夫人をやゆした映像であるのは明らかだ。
これに対し、夫人の報道担当をしているステファニー・グリシャムさんは「T.I.をボイコットしよう」とのハッシュタグを付けた上で「どうやって（このようなクリップを）受け入れることができる」とツイート。さらに、米メディアに対し「好き嫌いを別にしても、彼女はファーストレディーであり、これはホワイトハウスなのです。政治的理由から彼女をこのように描くのは敬意を欠いており、嫌悪すべきものです」との声明を発表、T.I.を批判した。
ビデオクリップは２４０万回近く再生され、「俺はカニエじゃない」とのタイトルが付いている。米人気ラップ歌手のカニエ・ウェストさんはトランプ大統領の熱烈な支持者として知られ、最近もホワイトハウスに招かれトランプ氏と会談。トランプ氏を激賞し抱き合ったことが話題となった。 （共同通信＝太田清）
