数え切れないくらい眼にしてきましたが

新橋駅前西口広場のSL じっくり眺めたことがありませんでした

東京で幼稚園から大学まで育って、そのままサラリーマン生活をしていたので新橋駅西口広場のSLはしょっちゅう眼にしてきました。でも、考えてみたら、じっくり眺めたことはありません。何となく、昔は、広場の真ん中に噴水があったよなぁ、とか、古本市をやっていて覗き込んだり、クリスマス頃になるとSLがイルミネーションで綺麗だった、などという記憶は多々あります。

それで、先日、時間があったので新橋駅西口広場のSLをゆっくり(・・・と言っても30分程でしたが)眺めて見ることにしました。いったい、いつ頃から有ったのか、と看板を見てみると1972年(昭和47年)に展示されたとあります。汽笛一声新橋は、日本の鉄道発祥の地です。1872年(明治5年)の鉄道開業から100周年を記念して1972年に設置された様です。その頃、筆者は西東京の高校生でしたから新橋に来る用事もないので、SLを眼にした記憶はほとんどありません。

C11 292は1945年(昭和20年)、終戦の年に製造されて引退まで姫路機関区に所属していた様です。小型の短距離・構内用の蒸気機関車なので、播但線や姫新線で活躍していたのでしょうか。長閑な山間で働いた後、喧噪の新橋街頭で静態保存されているワケです。しかも後部の横は喫煙所で紫煙がたなびいています。

サラリーマン時代、この近くに東亜録音所というフィルム時代のCF録音施設があったので、何度も横を通ってきました。当時はテレビ局にコマーシャルを16mmフィルムで納品していたので光学リレコという方法で音声をフィルムに焼き込む必要があったのです。1980年代の話です。

西口広場の周囲も変化していますし、JR自体が何やら大がかりな工事をやっています。

正面を撮っていたら、赤蜻蛉(アカトンボ)がいました!

分かり難いので黄色いラインで囲ってみました。新橋は、都会ですが日比谷公園や浜離宮が意外に近いので、虫などもいるのですね。

秋が深まってきて、もうじきイルミネーションでSLも飾られる季節です。乗り換え以外で新橋に来ることは滅多にありませんが、こうして用事もなくSLを眺めて居るのも悪くないもんです。

(写真・記事/住田至朗)

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