アトムおせちで百万馬力 横浜の百貨店で商戦、本格化

 横浜市内の百貨店で、おせち商戦がにぎわいを見せている。少人数でも楽しめる少量サイズや家族で会話が弾むようなメニューなど、今年も各社が家庭の要望に合ったさまざまな品ぞろえを展開している。 

 そごう横浜店(西区)では2日から、334種類を発売。担当者によると「食品部は、平成最後のお正月を自宅で過ごす人が多いのではないか」と、おせちの需要を見込んでいるという。

 今年は、手軽に食べられる個食の一段重や、食べ比べができるおせちに注力。同店では昨年から、越前塗の重箱を販売。今年もその重箱に詰められるおせちを、18種類用意した。都内や京都などの名店の味が、8640円から選べる。

 高島屋グループ全体では11日現在、通販やネット販売も含めて前年比約3・8%増の売り上げと好調。

 横浜高島屋(同区)は「おいしさはもちろん、食事を介して会話が弾むようなおせちが、数年前から人気」と説明。手塚治虫さんの生誕90周年を記念して、お重や料理にキャラクターがちりばめられた「和・洋中・おこさま 三段重」(2万7千円)、存廃問題のあった千葉県内のローカル線・いすみ鉄道の開業30周年を記念した「和・洋 二段重」(2万9700円)など、ストーリー性あるおせちを展開している。

 京急百貨店(港南区)は「昨年は一段重より、三段重の購入が好調だった」と振り返る。「一段重は、二段重に追加して購入されていた」と話す。今年は、昨年も人気だった和洋中のおせちを組み合わせて、三世代で楽しめる「和洋中 三段重」(2万9700円)や夫婦で味わえる「和洋おせち 二段重」(1万9440円)などを用意した。

 同店では、オリジナルの9種類を含む全164種類を発売。店頭での受け付けは25日から。前年比2・2%増の売り上げ予算を目指す。

手塚治虫さん生誕90周年を記念したおせち(横浜高島屋提供、(C) Tezuka Productions)

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