<閣僚に聞く>後継組織、年度内に示す/渡辺博道復興相

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 -東日本大震災から7年7カ月がたち、被災地の現状をどう見るか。

 「岩手、宮城の地震と津波の被災地では、災害公営住宅に住む被災者の心のケアが課題だ。マンション生活に慣れない人が多く、孤立感を強めている。復興のステージの変化に応じて心の復興を後押しする」

 「福島は帰還困難区域内の特定復興再生拠点区域の整備を優先的に進め、できるだけ早く受け入れ態勢を整えたい」

 -東京電力福島第1原発事故で被災した福島県からは、いまだ3万人以上が県外に避難している。

 「生活環境や教育機関が整備されているか、子どもへの放射線の影響はないのかとの不安がある。元の場所に帰りなさいという考えではなく、帰ることができる環境を整えるのが閣僚としての仕事だ」

 -2020年度末で廃止となる復興庁の後継組織の検討は。

 「自治体には復興・創生期間終了後にも対応が必要な課題の抽出を依頼し、報告書をもらっている。内容を整理し、新たな方向性を18年度末までに示す」

 -被災地では復興需要の縮小による地元経済への影響が懸念されている。

 「新規の販路開拓や産業人材の育成、新商品開発などの対策をさらに具体化させ、自立的な産業基盤を強化する」

 -原発事故に関し、放射性物質トリチウムを含む水の処理を巡る議論が続く。

 「福島に対する風評被害をさらにまき散らすようなことがあってはならない。科学的な部分だけではなく社会的影響も踏まえ、地元の人々の意見をしっかり考慮してほしい」

 -2020年東京五輪・パラリンピックに向け「復興五輪」をどう実現する。

 「例えば、福島県浪江町で水素製造拠点の建設が始まっている。浪江で造られた水素をエネルギーとして公共交通機関や選手村で活用できないか、組織委員会など関係者と協議したい。五輪の場で情報発信することは震災の風化防止にもつながる」 (東京支社編集部)