クリミアの惨劇、元ガールフレンドへの復讐説も

By 太田清

17日、クリミア半島のケルチで、負傷者を車に搬送する救急隊員を映したビデオ映像(KERCH FM NEWS提供、AP=共同)

 ロシアが編入したウクライナ南部クリミア半島でショッキングな事件が起きた。東部ケルチの職業専門学校で17日、男が銃を乱射、手製の爆弾を爆発させ、教師や学生ら19人が死亡、約40人が負傷した。男は持っていた銃を自身のあごにあて自殺した。 

 ロシアの主要メディアによると、男は同校4年に在籍するウラジスラフ・ロスリャコフ容疑者(18)。捜査当局は当初、テロ事件と発表したが、後に容疑を殺人に切り替えた。 

 最大の関心はロスリャコフ容疑者が犯行に至った動機だが、ロシアのテレビ局「レンTV」などは、同容疑者の知人の話として、ロスリャコフ容疑者が最近、5か月間付き合っていたガールフレンドに振られ、復讐のために銃などで武装した上、専門学校内で元ガールフレンドを捜していたと伝えた。 

 一方、ロシアメディア「RBK」は、同様に匿名の知人の話として、同容疑者は学校を憎んでおり、教師への復讐のために犯行に及んだ可能性を指摘した。同容疑者は9月8日に銃の所持許可を得たばかりだった。同級生によると「おとなしく目立たないタイプ」で、化学に詳しかったという。 (共同通信=太田清)

© 一般社団法人共同通信社