鹿島、低炭素型コンクリートを土木構造物に初適用 新日鉄住金八幡の基礎工事で

 鹿島はこのほど、低炭素型コンクリート「ECMコンクリート」を土木構造物へ初適用した。福岡県で施工中の新日鉄住金八幡製鉄所内の小倉地区東Aバースクレーン基礎補強土木工事で基礎補強部分の増厚部に約140立方メートルを適用。CO2を削減しつつ高い耐久性を有する構造物を構築した。

 本製品は14年にNEDOプロジェクトで1大学7社で共同開発。普通セメントの代わりに高炉スラグ微粉末を60~70%使用することで一般的なコンクリートに比べ製造時のCO2排出量を60%程度低減できる。高炉スラグ微粉末が水和反応することで表面が緻密化して遮塩性が向上。塩害による鉄筋腐食に対する寿命が1・5倍となることから岸壁上に構築されるコンクリート構造物に有効であると判断し本工事に適用した。

 今回の工事は新日鉄住金八幡製鉄所構内の移動式門型クレーンの基礎補強を目的に構築された。バースクレーンを稼働させながらの施工となったが、順調に打設を完了した。セメントは日鉄住金高炉セメントで製造したものを使用した。本製品の建築物への適用は9件の実績がある。

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