サウジ記者、おぞましい最期の詳細明らかに

「パルプ・フィクションのよう」

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太田清

47NEWS編集長

太田清

47NEWS編集長

共同通信社入社後、広島支局、大阪社会部、外信部、経済部、ベオグラード支局、モスクワ支局、ローマ支局などを経て2016年より現職。イトマン事件、阪神大震災、コソボ紛争、ユーゴ空爆、モスクワ劇場占拠、アフガン紛争、ギリシャ財政危機、東日本大震災などを取材。

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ジャマル・カショギ氏=2011年1月、スイス・ダボス(AP=共同)

 サウジアラビア政府を批判していた米国在住のサウジ人記者ジャマル・カショギ氏がトルコで行方不明になった事件は、同氏が最後に訪れたイスタンブールのサウジ総領事館で殺害された可能性が濃厚となった。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)などは18日までに、おぞましいとも言える同氏の最期の様子を報じた。 

 殺害の様子を録音した音声データを聴いたトルコ当局者の話として伝えたもので、婚約者との結婚のため必要な書類を得るためにカショギ氏が総領事館を訪れたのは2日午後1時15分ごろ。母国からカショギ氏殺害のため派遣された15人の特務部隊が直ちに、総領事の執務室にいたカショギ氏を拘束、殴るなどの拷問を始めた。 

 その後、特務部隊はカショギ氏の複数の指を切断。さらに頭部を切り落とした。切断には外科用の骨のこぎりが使われたとみられる。切断の際にカショギ氏が生きていたかどうかについて、ニューヨーク・タイムズは明確でないとしている。 

 オタイビ総領事が「外でやってくれ。面倒なことになる」と言うと、特務部隊の一人は「母国に帰って生きていたければ、黙れ!」と叫んだ。カショギ氏の尋問などはなく、殺害は直ちに実行された。 

 15人のうち、少なくとも9人がサウジの治安部隊や軍、省庁で働いていた経歴を持つ人物で、うち1人はサウジ内務省に所属する法医学の専門家だった。カショギ氏の体の切断のために特務部隊に加わったものとみられる。 

 トルコ当局者の一人は殺害の様子について「(凄惨な暴行・殺害場面を描いた米映画)パルプ・フィクションのようだった」と語った。 

 音声データの入手元について、トルコ当局者は一部メディアが伝えたカショギ氏のアップルウォッチを通じたものか、総領事館内の盗聴器によるものかなど詳細について説明を避けた。今後の情報活動への障害を懸念したものとみられる。 

 同紙はまた、特務部隊の一部がサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子とつながりがあったと報じた。容疑者のうち1人は、皇太子の今年の訪米に同行した様子が撮影されていた。3人は皇太子の警護部隊とつながりがあったとしている。皇太子は事件への関わりを否定している。 (共同通信=太田清)