【MLB】大谷所属のエンゼルス 新監督人事で異例の2時間筆記試験を行う理由

エンゼルス・大谷翔平とソーシア前監督(右)【写真:Getty Images】

2時間に渡る筆記試験は異例も…監督決定には欠かせない要素

 今季限りでマイク・ソーシア監督が退任し、現在、後任人事を進めているエンゼルス。2時間にも渡る筆記試験が行われることが明らかになり、大きな話題となっている。米メディアは、新監督に筆記試験を課す理由を「批判的に考える能力を試すため」だとしている。

 MLB公式サイトでは、エンゼルスが2時間の筆記試験を行うことについて「MLBの専門家たちは興味深い反応を示した」と言及。次期監督が決定する時期は近づいているとも伝えている。すでに、エリック・チャベス氏、ブラッド・オースマス氏が球団内部からの候補者として面談を終えており、カブスのベンチコーチであるブランドン・ハイド氏、アストロズのベンチコーチであるジョー・エスパーダ氏も候補に挙がっているという。

 記事では「ますます分析が進むスポーツの中での基準からしても、エンゼルスが課した試験の時間とその徹底ぶりは珍しいケースかもしれない」と指摘。ただ、2時間にも及ぶ筆記試験は異例と言えるものの、筆記試験自体は近年では監督を決める面談における欠かせない要素になっているという。

 例に挙げられているのが、2004年からレッドソックスを率いたテリー・フランコーナ監督(現インディアンス監督)だ。2003年シーズン後に新監督を求めていたレッドソックスが、フランコーナ氏に簡単なクイズやラインナップを組む演習問題に取り組ませたと紹介。「その時の筆記試験の目的は、フランコーナの頭を悩ませ、議論を活性化させ、彼が(監督して試合中に行う)決断に至る際にどのような要素を考慮するかをレッドソックスのフロントオフィスに伝えさせること」だったとしている。結果的に、フランコーナ氏は同年に86年ぶりにレッドソックスをワールドシリーズに導いた。

 記事では、エンゼルスが現在行っているテストは「試合中における判断、選手やフロントオフィスとの関係性へのアプローチの仕方」に関わっているものだという関係者の証言を紹介。そして、「関係者によると、エンゼルスが行った2時間の試験は質と量のバランスを考えたものであり、その目的は、候補者たちの批判的に考える能力を試すためである」と結論づけている。

 いったいどんな監督が大谷やトラウトが所属するエンゼルスを率いることになるのか。米国でも、人選に大きな注目が集まっている。(Full-Count編集部)

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