佐世保人気質

 もちろん、全てに当てはまるわけではない-と分かっていながら、長崎、佐世保市民の「気質の違い」を同僚記者と共に探ったことがある。十何年か前の話で、うっすらと「長崎は伝統を重んじて保守的、佐世保は進取の気質があり開放的」という傾向が見えてきた▲例えば企業活動では、佐世保人は「外」を見渡し、県外にも事業を広げる傾向が強かった。思い当たる節ならば他にもある。文化的な例を挙げると、祭りがそうだろう▲長崎くんちには重厚な歴史がある。佐世保にも伝統の「佐世保くんち」があるが、もっと、ずっと新しい祭りが一気に名をはせ、一気に規模を膨らませた。その「YOSAKOIさせぼ祭り」がきょう開幕する▲今年で21回目で、参加チーム数は172に上るが、スタート時は6チーム。札幌の「YOSAKOIソーラン祭り」に刺激された商店街有志らによる小イベントだった▲外を見て、いいものは取り入れる。練り上げ、独自のものにする。いわば「佐世保人気質」がつくったと、祭りを始めた人から聞いたのを思い出す。他と比べれば新興都市といえる佐世保の歩みにもどこか通じる▲今回は21日、選抜チームが連続で演舞して中心街アーケードをパレードするという見どころもある。20回の節目を経て「独自のもの」に変化は続く。(徹)

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