食物アレルギー園児のいる施設 33%でヒヤリ・ハット  長崎県調査 6月までの1年間

 給食を提供する長崎県内の保育所、認定こども園計484施設を対象に長崎県が実施した調査で、食物アレルギー対応が必要な園児がいる430施設のうち、6月までの1年間に33・7%に当たる145施設で、誤食や誤配など、事故につながりそうな事案(ヒヤリ・ハット)が起きていたことが18日、分かった。

 調査は2013年度から毎年実施。本年度は6、7月に行い、470施設から回答があった。

 長崎県こども未来課によると、食物アレルギー対応が必要な園児がいたのは全回答施設の91・5%に当たる430施設。このうち、145施設で「ヒヤリ・ハット」事例があり、園児がアレルゲン(原因食材)を口に入れた「誤食」が39件だった。具体的には、「バナナアレルギーの子にバナナを焼き菓子にして提供した」「卵アレルギーの子にふりかけに入っていた卵を見落とし提供した」-などだった。複数の園児に発疹などの症状が出たが、重篤な状態になったり、緊急時にアレルギー反応を抑える注射薬「エピペン」を使ったケースはなかったという。

 園児がアレルゲンを口にする直前などに気づいた「誤配」は87件。「卵アレルギーの子に卵白入りのかまぼこを誤配」「小麦アレルギー児にうどんを誤配」「おかわりのときに間違って配膳した」などの例があった。

 長崎県こども未来課は来週までに市町を通じて調査結果を484施設に通知する考え。「ヒヤリ・ハットがあった後の対応が大切。減らしていけるよう研修などで啓発していきたい」としている。

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