侍U-23代表が前日練習 稲葉監督V2に意欲「世界一を目指す」 初戦先発は山崎

会見に出席した侍U23の稲葉監督(右)と楽天の内田【写真:福岡吉央】

A組の日本、20日の初戦は南アフリカと対戦

 野球の23歳以下の世界一を決める「第2回WBSC U-23ワールドカップ」が19日(日本時間20日)、コロンビアで開幕する。大会連覇を狙う侍ジャパンU-23代表は、オープニングラウンドではA組に入り、台湾、メキシコ、オランダ、コロンビア、南アフリカと対戦する。大会開幕前日の18日(同19日)は会場となるバランキージャのエドガル・レンテリア・スタジアムで約2時間練習を行い、南アフリカとの初戦に備えた。

 プロ19人、社会人5人の計24人の選手たちを率いるのは、侍ジャパン・トップチームの指揮官でもある稲葉篤紀監督だ。この日、公式会見に臨んだ稲葉監督は「日本は(16年にメキシコで行われた)前回大会で優勝しているので、このポジションを維持しないといけない。そのために、このカテゴリーの優れた選手を選んだ。チームはまだ発展途上だが、攻撃につなげていけるチームを作ってきた。監督も選手も前回とはメンバーが違うが、また新たに世界一を目指して挑戦していきたい」と、大会連覇を目標に掲げた。チームの強みを聞かれると「投手のコントロールが非常にいい。そして日本人には結束力があり、1つになるのが非常に上手な国。1試合にかける思いを出していけると思う」と語った。

 4番を任される主将の内田靖人内野手(楽天)は、「即席のチームなのでまとめていかないと勝てない。率先して声を出していければ」と話す。プロ5年目の今季は1軍で58試合に出場し、12本塁打を放っているが、海外の選手が相手となるだけに「動くボールが多いと思うし、ストライクゾーンや牽制も(判定の基準が)日本とは違うと思うので、試合の中でしっかり対応していかないと勝てない」と、対応力の重要性を掲げて気を引き締めた。

B組プエルトリコはヤディアー・モリーナ監督

 初戦の先発を任されるのは、190センチの長身右腕、山崎颯一郎投手(オリックス)。直球と縦に大きく割れるカーブが武器で「直球で早めに追い込んで、変化球で抑えたい」と話した。建山義紀投手コーチも「長身で独特の角度があるので打者は嫌なはず。しっかり流れを持ってきてくれる投球をしてくれると思う」と期待を寄せた。なお、オープニングラウンドの先発は、山崎、種市篤暉投手(ロッテ)、近藤弘樹投手(楽天)、寺島成輝投手(ヤクルト)、阪口皓亮投手(DeNA)の5人が務める予定になっている。

 モンテリアが会場となるB組は韓国、オーストラリア、プエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ共和国、チェコの計6か国。プエルトリコは、現役メジャーリーガーでセントルイス・カージナルスのヤディアー・モリーナ捕手が、昨年の予選に続き、監督を務める。選手たちは17日に現地入り。ほぼ全員の選手が髪の毛を金色に染め、早くも一体感を見せていた。

 大会はオープニングラウンドの各組上位3チームがスーパーラウンドに進出。別組の3チームと対戦し、オープニングラウンドで同組だった2チームとの対戦成績を加えた計5試合の成績で、28日に行われる決勝、3位決定戦への進出チームを決める。オープニングラウンドの各組下位3チームはコンソレーションラウンドに回る。

 侍ジャパンU-23代表の連覇に向けた戦いが、いよいよ幕を開ける。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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