「響 -HIBIKI-」配役が素晴らしい。特に、主演の平手友梨奈は、主人公の響そのままの存在感である。

柳本光晴による人気漫画の映画化。15歳の女子高生、鮎喰響が、自作の小説を文芸新人賞に応募し、瞬く間に、芥川賞と直木賞にダブルノミネートされるという快挙を成し遂げるストーリー。努力なくして圧倒的な作品を書き上げてしまう一人の天才と、どれだけ努力してもその才能に敵わない小説家(志望)たち、そして、彼ら創作者を取り巻く編集者や週刊誌記者たちの、すれ違いや衝突、そして心の交流を描く。配役が素晴らしい。特に、主演の平手友梨奈は、主人公の響そのままの存在感である。平手が「そんじょそこらの可愛いだけのアイドル」でないことは、彼女の普段のアイドルパフォーマンスからも伝わってくるが、それにしても、あの無表情の芝居に滲む、不思議な魅力......。脇を固める、北川景子、小栗旬、柳楽優弥らの芝居も、それぞれ的確で見応えがある。是非、スクリーンで確かめてみてほしい。平手友梨奈歌唱の主題歌も必聴!(LOFT9 Shibuya:木俣恵太)

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