MotoGP日本GPに通算7度参戦の中須賀、今週末はヤマハYZR-M1が抱える加速面の問題の解決に取り組む

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 中須賀克行にとって、7度目のMotoGP日本GPが始まった。全日本ロードレース選手権JSB1000に参戦するライダーとして活躍する傍ら、ヤマハのMotoGPテストライダーも務める中須賀。1年ぶりのMotoGP参戦を、どう感じているのだろう。

 中須賀が日本GPにMotoGPクラスで参戦した最初の年は、2012年だった。以来、2018年までの通算7度、日本GPのMotoGPクラスに参戦し続けている。

「7年連続ということで、場馴れはしてきた感じです。1年に1回の世界ブランプリですし、期待と不安を持ってウイークに入る形になりました。みなさんもご存じのとおり、ヤマハが苦戦しているシーズンになっていますが、ひとつでもいい方向性を見つけられればなという思いです。テストライダーとしての意気込みもありますし、もちろんレーシングライダーとしての目標も高く持ってウイークに乗り込んできている状態です」

 初日はあいにく、絶好のコンディションとは言い難い状況ではあった。午前中は気温は低いものの完全なドライ、しかしそこから午後にかけてぽつりぽつりと雨が降り、午後のフリー走行2回目の路面はドライではあったが、ライダーによってはレインタイヤを投入するなど、微妙なコンディションだったのだ。中須賀はそんな初日を、総合15番手で終えた。

「テストでもてぎを使っているのですが、そのときより速く走れているので、状況としては良いですね。僕はフリー走行1回目、2回目各セッションの最後にニュータイヤを履いてアタック、という、MotoGPセッションのスケジュールに慣れていません。それに戸惑いながらやっている状況ではあります」

 タイムアタックを行った中須賀だが、タイヤチョイスを失敗したと言う。それでも1分46秒872で総合15番手。ヤマハYZR-M1を熟知するライダーとしての実力を見せた。

「データを詰めれば、1分46秒4くらいまでいける状態でした。テストの状態のときより速く走れているし、良い状況ではあるんじゃないかと思っていますね」

 中須賀はMotoGP参戦にあたり、テストライダーとの役割も担っている。中須賀は自分のレースを戦いながら、ヤマハYZR-M1のデータ収集もしなければならないのだ。

「今年のレギュレーションの範囲内でやれることは非常に限られています。今、明確にあるところを小変更しながら、ファクトリーチームではできない内容のセッティングの方向性とかを自分で確かめています」

「もしそれが良ければ彼ら(バレンティーノ・ロッシ、マーベリック・ビニャーレス)のマシンに入れ込むことができるし、そういった面でデータを取ることがメインになります。明日のフリー走行3回目、4回目とあるので、そこでもう少し自分の方で煮詰めて、それが良ければ……という感じです」

 ヤマハが今季抱える加速面の問題については、中須賀も同様に考えている。フリー走行1回目ではビニャーレスが5番手、ヤマハのサテライトチーム、モンスター・ヤマハ・テック3のヨハン・ザルコは3番手と上位につけた。

MotoGPでテストライダーとしての役割も担う中須賀

「加速面の問題を何とかするために(ロッシ、ビニャーレス、中須賀の)3台で違う方向を見てやっています。フリー走行1回目ではビニャーレス選手、ザルコ選手もそんなに悪くないです。そういった意味では(加速の問題が)リカバリーできているのではないかなと思っています」

 MotoGPという世界選手権で、難しい『2足の草鞋』を履きこなす中須賀。明日の予選は厳しい戦いになると予想しつつも、意気込みを見せる。

「フリー走行2回目ちゃんと走れない状況だったので、フリー走行3回目はすごいアタック合戦になると思います。タイヤ本数も余っていますからね。それに圧倒されないように、まずは自分自身、地に足をつけて楽しんで走りたいと思います。MotoGPライダーの気迫に負けないように一緒に交じって、良い走りをしたいと思います」

 ちなみに、中須賀は今大会でゼッケン89を付けている。中須賀が全日本でも付けている21は今年、フランコ・モルビデリ(エストレージャ・ガルシア・0.0・マーク・VDS)のゼッケンになっているからだ。その由来については、中須賀の誕生日なのだとか。

「初めてMotoGPに代役参戦したときに、ゼッケン89で出たんですよ。使いたい番号あるかと聞かれたときに思い浮かばなくて、じゃあ誕生日でいいかと思って89で出たんですよ」

 そんなこぼれ話も交える中須賀、7度目の日本GPはいい意味でリラックスができているようだ。初日の総合15番手というリザルトを考えても、全日本のエースの活躍を期待してやまない。