新「五島産業汽船」が長崎-鯛ノ浦間の再開

 経営破綻し離島航路を休止・廃止した五島産業汽船(長崎県新上五島町)の元従業員らが設立した同名の新会社は19日、長崎-鯛ノ浦(同町)航路の運航を再開した。旧会社が突然運休してから約半月ぶりの運航となり、再開を待ち望んでいた島民らが船に乗り込んだ。

 新会社は10日に設立。長崎-鯛ノ浦航路の引き継ぎを九州運輸局に申請し、18日に認可された。旧会社から購入した「ありかわ8号」(定員79人、58トン)を使用し、1日2往復4便を運航。長崎-鯛ノ浦を約1時間40分で結ぶ。

 第1便には13人が乗船し、午前8時に鯛ノ浦を出港。新会社などによると、19日の利用客は4便で計34人にとどまった。

 新会社は、利用客が旧会社から購入した未使用乗船券の払い戻しを開始。同日は24人に約16万円分を払い戻した。

 新会社の藤原圭介社長は「今後も愛される会社として島民の足を守り続けたい」と決意を話した。江上悦生新上五島町長は「20日足らずの再開に町民から喜びの声を聞いた」と歓迎し、「本町を発着し他の自治体とつながる全ての航路が充実するよう努めたい」と語った。

 新会社は20日、長崎、鯛ノ浦両港で航路再開を祝う式典を開催する。開始時間は鯛ノ浦港が午前7時半、長崎港は午前10時半から。乗客に記念品を贈る。

第1便の乗客を出迎える従業員ら=長崎市、長崎港

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