被爆講話 初めて英語で 外語大留学生60人に

 長崎平和推進協会継承部会の大庭義弘さん(79)と計屋道夫さん(81)が18日、長崎外国語大の留学生ら約60人に自身の被爆体験を英語で話した。大庭さんは「国によってなかなか原爆について理解しづらいと思う。しかし、世界平和のために、日本人だけでなく外国人にも被爆体験を語り続けたい」と意欲を示した。

 2人は、今年4月に被爆者の有志で発足した英語で被爆体験を語る研究会の一員。会員は月に1回集まり、原稿の英訳や発音の練習などをしている。同大であった今回の平和学習が初めての発表の場となった。

 2人はそれぞれ、写真や図を使いながら、用意していた原稿を読み上げた。このうち、大庭さんは5歳の時に入市被爆した状況を語った。けがをした人々の悲鳴やうめき声が聞こえてきた救援列車の惨状が、今でも脳裏に焼きついているという。

 質疑応答では、生徒が「原爆を作った人に対して、あしき感情を持っているか」と尋ねると、計屋さんは「その感情は持ち続けているが、それによって平和を考えるようになった」と答えた。

 平和学習の授業を担当するマーク・ティーダマン教授(英文学)は「本人の口から被爆体験を聞くことができて、学生は忘れられない経験になったと思う。被爆体験が書かれた資料は、日本語と英語の2カ国語で作ったものを聴講者に配ると理解が深まる」と話した。

留学生らに英語で被爆講話をする大庭さん=長崎市横尾3丁目、長崎外国語大

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