真岡の大前神社、重文指定へ 

「ポスト日光」時代の装飾建築評価

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北西から臨んだ本殿。幾何学的なデザインの「地紋彫り」が施されている。写真奥が拝殿=真岡市東郷

 国の文化審議会は19日、真岡市東郷の大前(おおさき)神社など全国9件の建造物を国の重要文化財(重文)に指定するよう、柴山昌彦(しばやままさひこ)文部科学相に答申した。近く指定される見込み。建立は幕府が威信をかけた日光東照宮などが造営された後の「ポスト日光」の時代。庶民信仰の盛り上がりを背景にした装飾建築の先駆けとして評価された。

 県教委によると、県内建造物の重文指定は昨年7月の大雄寺(だいおうじ)(大田原市黒羽田町)に次ぎ41件目で、このうち7件は国宝。

 大前神社で指定見込みなのは、江戸時代中期の1707(宝永4)年に建立された本殿(間口4・6メートル、奥行き6・1メートル、高さ10・6メートル)と、神職が神事を行う幣殿と一体となった1600年代末期の拝殿(間口12・4メートル、奥行き12・5メートル、高さ8メートル)の2棟。

 文化庁によると、本殿などは優れた大工、彫師などを招き建てられた。精緻で色鮮やかな竜、ウサギなどの彫刻、幾何学的な「地紋彫り」が施されている。1700年代半ばに多く使われるようになった技法も見られ、「関東の装飾建築普及の萌芽(ほうが)を示す」とした。

 建立は日光東照宮造営から半世紀後。文化庁の担当者は「庶民が財力を付け、神社仏閣を建てるようになった時代。『ポスト日光』の装飾建築のありようを明らかにしている」と指摘した。