サントリーと積水化、SBバンコクで「水」テーマに発表

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サステナブル・ブランド 国際会議 2018 バンコク(SBバンコク)が10月12―13日にタイで開催され、サントリーホールディングスと積水化学工業が「水」をテーマに水リスクへの対応などの取り組みについて語った。「水など自然資本の持続可能性は、SDGsの17目標を達成する上でも基盤となる重要なもの」とファシリテーターを務めた足立直樹 SB Tokyo サステナビリティ・プロデューサーは「水」をテーマにした理由を説明する。(サステナブル・ブランド ジャパン=橘 亜咲)

2社が登壇した日本企業を取り上げたセッション「ジャパニーズ・ブランド」の冒頭で、足立氏はSDGs17目標の構造的な見方を示した図を紹介した。レジリエンス研究の世界的拠点であるストックホルム・レジリエンス・センターが公表しているものだ。ウェディングケーキ状に17目標を配置した図の下部には「Biosphere(生物圏)」という単語と共に目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」が並ぶ。「自然資本がSDGsを達成する上で基盤になる」とはこのことだ。

レジリエントな製品がレジリエントな社会をつくる

積水化学工業の三浦仁美・経営戦略部 環境経営グループ 担当部長は「水に関するリスクと機会」について話した。同社は2030年までの環境長期ビジョンに「『生物多様性が保全された地球』の実現」を掲げ、「環境貢献製品の市場拡大と創出」「環境負荷の低減」「自然環境の保全」の3つを通して環境経営を推進していく方針だ。

BtoB企業である同社にとって、「水リスク」は原料調達から廃棄にいたる製品の全ライフサイクルにおいて存在する。同社では水リスクの調査を全工場で実施。水の使用量削減や水質改善に取り組むなどし、水リスクの低減に努めているという。一方、「機会」について、三浦氏は「レジリエントな製品をつくることでレジリエントなインフラが整備され、レジリエントな社会が形成される」と話し、環境や社会的な要請を考慮し、同社が製造する水道設備用のパイプや雨水を地下に貯める貯溜材などの開発製造を通してSDGsを達成していくとした。

「水と生きる」をアジアへ

サントリーホールディングスの椎名武伸・サステナビリティ推進部 部長は初めに、サントリーグループの約束「水と生きる」について説明した。経営の基盤であり人類の共有財産でもある「水」について、同社はその持続可能性を実現するために「水理念」を掲げている。「水循環を知る」「水を大切に使う」「水源を守る」「地域社会と共に取組む」の4本柱を実行し、水の持続可能性の実現していく方針だ。同部長は、具体策として、全国20カ所で実施している水源保全活動や子どもを対象に行なっている次世代環境教育「水育」への取り組みを紹介した。

「水育」は国外でも実施されている。ベトナムでは2015年から行われ、水源保全や衛生管理などに関する授業のほかに衛生的な水を使用できるようフィルター設備を整えるなどし、これまでに1万4500人以上の子どもが同プログラムに参加した。サントリー食品アジアのダニエル・クエック氏は、「ベトナムは干ばつや洪水など水の問題を抱えている国。私たちがベトナムに最も貢献できるのは、生活に不可欠な水について教育を行なうこと」と語った。同社はタイでペプシやリプトンなどのブランドを展開。今後は同国でも「水育」を実施していく計画だ。