BASF、国連GCのリード企業とパイオニアに認定

国連グローバル・コンパクト リーダーズサミットのCEO円卓会議に参加したBASFのサオリ・デュボーグ取締役(写真:BASF提供)

BASF(本社:ドイツ)はこのほど、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の「リード企業」と「SDGパイオニア」に認定された。持続可能な成長の実現に向けたグローバルなイニシアチブであるUNGCが、先導的な企業や個人を認定するもの。リード企業は今回34社が認定された。同社は安全な飲料水提供に向けた消毒技術の開発など、持続可能な水と気候への取り組みを進めており、その活動担当者がSDGパイオニアに選出。これまでに累計30人が選ばれている。(オルタナ編集部=堀理雄)

UNGCは、1999年の世界経済フォーラム(ダボス会議)の席上でコフィー・アナン国連事務総長(当時)が提唱したもので、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに向けた企業や団体のイニシアチブとして、2000年に発足した。

「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野・10原則を軸に活動を展開。160カ国以上を拠点とする13000を超える企業や非営利団体が署名し、世界各地で70近いネットワークを形成している。

リード企業は、その中でもサステナビリティにおいて先導的に活動に取り組む企業が認定される。

今回の認定についてBASFのサオリ・デュボーグ取締役は「責任ある事業活動はSDGs(持続可能な開発目標)を達成するための前提条件。事業の成功は利益を生み出すだけでなく、社会や環境に価値を生み出すこと」と述べた。

SDGパイオニアは、ビジネスを通じたSDGsの達成に向け優れた貢献をした個人をUNGCが表彰するもので、2016年から毎年10人が選ばれている。

このほど水の保全に関する活動を推進した、BASF北米市場・ビジネス開発担当プレジデントのテレサ・ゼレスト氏が選ばれた。

BASFコーポレーション(米国)は、2017年にルイジアナ州立大学工学部に100万ドルを寄付し、地球規模の課題に対する持続可能な解決策に焦点を当てた研究所を設立。この研究所のチームが、太陽光を利用した携帯型の水消毒システムを開発した。

従来のエネルギーを集約する消毒法を用いることが難しい開発途上国において、約10億人に安全な飲料水を提供する可能性があるという。

こうした研究や、地域の水利用に関する解決策の開発など、持続可能な水と気候への取り組みが評価された。ゼレスト氏は「資源に限りがある中、責任ある水の使用、世界的な水の保全はBASFにとって引き続き最優先事項」と述べた。

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