軍艦島保存整備へ 専門家ら工法検討 長崎で初会合

 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つ、長崎市の「端島炭坑」(軍艦島)に残る炭鉱施設跡の保存工事について議論する専門家の「工法検討会議」が20日、同市高島町で初会合を開いた。
 工法検討会議は、長崎市が設置した有識者会議「高島炭鉱整備活用委員会」(委員長・岡田保良国士舘大教授)の一環。建物の構造や補修などを専門とする委員3人とアドバイザー4人の計7人で構成する。
 工法検討会議は本年度から2021年度まで、明治期の炭鉱施設「第3竪坑捲座(たてこうまきざ)」の整備方法を議論。同施設はれんがの壁面が残存しているが、ひび割れやれんがの崩落が発生している。市は施設の現状を維持する計画で、会議の提言を受けて整備工法を決定し、施工する方針。
 初会合では、毎秒34メートルの風速に耐えられるように同施設を整備する方針を市が説明。委員からは「近年の台風では他県で最大瞬間風速57・4メートルを観測している」と市の方針を疑問視する意見が出た。

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