西武、森の負傷交代が響き好機で代打出せず 辻監督「迷ったんだけどね…」

西武・辻発彦監督【写真:福谷佑介】

急遽出場となった岡田「チームに申し訳ない」

■ソフトバンク 8-2 西武(20日・メットライフ)

 連日、点の取り合いとなっている今年のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ。リーグ覇者・西武は20日に行われた第4戦を落とし、ソフトバンクに王手をかけられた。

 初回、スタメンマスクをかぶっていた森友哉が、先発・今井の投じた高めのストレートを捕球しに行った際、デスパイネの空振りしたバットにグラブが当たり、左手首を負傷し岡田がマスクをかぶることになった。

 急遽出場した岡田は「データとかも頭には入っているし、今井とも、デビュー当初は組んでいたので、どういうピッチャーか分かっていた。だから、もうちょっと慎重にいくところはいけたと思う。緊急出場でしたがああいうところで結果を出さないといけないので、チームに申し訳ないと思っています」と、2回に打たれた甲斐の2ラン本塁打を含めたリード面について語った。

 森が交代した影響が攻撃面で出てしまったのが6回。2-4と西武が2点を追いかける中、1死二、三塁のチャンスに中村が見逃し三振。2アウトとなって岡田に打順が回ってきた。辻監督は「(交代は)迷ったんだけどね。2アウトだったから、2アウトなら岡田のしぶとさを期待して」と、そのまま岡田を打席へ送った。

 だが、結果は痛恨の見逃し三振。フルカウントまで粘りを見せたが「シーズン中は振りにいけたが、あの場面では振りにいけなかった」と肩を落とした。代打を出せなかった辻監督は「キャッチャーが(炭谷しか)いなかったからね」と説明。捕手・森を欠いてしまった影響が、ここにも出た形となった。

 これで2勝3敗と後がなくなった西武。だが、まだ終わったわけではない。ふとしたきっかけで流れが変わるのが短期決戦。10年前の日本一を知る栗山は「勝たないとダメだが、そんな中でも積極的に失敗を恐れず、普段通りにやっていきたい。明日負けたら終わるのは、みんな分かっていること。だからこそ、いつも通りやるだけ」と改めて普段通り戦う重要性を説いた。

「明日は最後の試合になる可能性もあるが、全力で勝ちにいく」と辻監督。追い込まれたリーグ覇者・西武は第2戦のように再び牙をむき、逆王手をかけることができるのか。(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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