小児医療施設で活躍するボランティアの調整役を担う「コーディネーター」の全国組織が発足し、県立こども医療センター(横浜市南区)で20日に初の集会が開かれた。小児患者と家族を支援し、より良い療養環境を目指して課題を話し合った。
新組織は「小児医療施設ボランティアコーディネーターの会」。初会合に全国の小児施設のコーディネーターら62人が参加した。
発起人で同会代表の坂上和子さんは「小児医療の底上げのためにも全国で支える団体がつながることで、大きな成果を上げることができる」と設立趣旨を説明。集会を共催した同センターの山下純正総長は「病院側もボランティア活動に関与し、小さな命を育むという理念を皆が共有することが大切」と話した。
コーディネーターのパネルディスカッションでは、各施設で実施するきょうだい預かりなどについて活発に情報を交換した。ボランティアの減少や高齢化の問題提起もあり、同センターのボランティアコーディネーターの加藤悦與さんは「ホームページを利用して夏休み前に募集したら、学生の参加が増えた」と紹介。県立保健福祉大学の野中淳子教授は「ボランティアコーディネーターは市民や組織をつなぐ貴重な役割を担っている。認知度を高めていく必要がある」と指摘した。会は今後、情報交換や病院見学などを実施するという。