お店まるごと貸しスペース 多くの“縁”結んで 「コミュニティスペース えん トマトハウス」 佐々でオープン

 北松佐々町の魅力を発信し、たくさんの人がつながる場所に-。
 町内在住の山之内未央さん(43)が、そんな思いを込めた店舗「コミュニティスペース えん トマトハウス」をオープンした。ドリア専門店だが、貸しスペースとして店舗ごと借りることができる。料理・絵画の教室、打ち合わせ、会議など用途は自由で好きな時間に使える。山之内さんは「多くの“縁”が生まれるよう、気軽に立ち寄ってほしい」と期待を膨らませる。
 「コミュニティスペース えん」は、元佐々町地域おこし協力隊の酒井麻里衣さんが、7~9月に開いた。学校帰りの子どもたちが宿題をしたり、近所の人がお茶をしたり、ワークショップに使ったりするなど、やりたいことができる場所づくりを目指していた。10月15日で任期を終えた酒井さんの思いを、山之内さんが引き継いだ。
 2人は以前から、町の郷土料理「もろぶた寿司」を広めたいと一緒に取り組んでいた。町で採った野菜で彩り豊かに仕上げた創作もろぶた寿司「モロフィーユ」は、店の看板メニューとして提供している。
 山之内さんは約10年前から、町内や佐世保市内で飲食店を営んできた。「苦労が分かっているからこそ、一歩を踏み出したい人の後押しがしたい」と、キッチンや食器も貸し出す。「週に一度は“別のお店”になっている、なんてこともあるかも」と顔をほころばせる山之内さん。趣味を生かしてステップアップしたい人、アイデアを形にしたい人、居場所をつくりたい人-。新たな出会いを待っている。
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 店の営業時間は午前10時~午後5時オーダーストップ。日曜定休。店を借りる場合、利用料は1時間千円。使い方次第で金額は相談に応じる。最大で14人ほど入れる。月2千円で、雑貨やアクセサリーなどの委託販売も受け付ける。問い合わせは23日までは(電090・9566・0467)、24日以降は(電0956・37・8375)。

「気軽に立ち寄ってほしい」と話す山之内さん=佐々町、「コミュニティスペース えん トマトハウス」

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