被災文化財を後世に 熊本地震復興再生会議シンポ

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シンポジウムで被災文化財の保護などについて意見を交わした専門家ら=21日、熊本市の熊日本社(上杉勇太)

 熊本日日新聞社は21日、熊本地震復興再生会議シンポジウム「被災文化財の現状とこれから」を熊本市の熊日本社で開いた。地震後から続く未指定文化財のレスキュー活動と、地域の歴史遺産を後世へ受け継いでいく意義について、専門家らが意見を交わした。

 地震からの復興を市民や有識者と考える会議の連続シンポジウムの7回目。約130人が聴いた。

 第1部は県教委の主催で、熊本大永青文庫研究センターの稲葉継陽教授が「未指定動産文化財のレスキュー活動と歴史的価値」と題して講演。被災した旧家などから古文書や美術品などを救出してきた活動を紹介。民間の史料の価値を指摘し「公文書館の設立が急務」と保存を訴えた。

 第2部は被災文化財の現状と今後について、稲葉教授ら4人が討論。県建築士会の山川満清さんは、歴史的建造物の評価と保存に関わる専門家「ヘリテージマネージャー」の活動や、国が派遣する文化財ドクターの調査の様子を紹介した。

 益城町で文化財を担当する町教委の堤英介さんは、文化財の被害調査が遅れた実情を振り返り「断層など震災遺構を残し、防災・減災教育に役立てたい」と話した。日本イコモス国内委員会事務局長の矢野和之さん(東京)は、県の未指定文化財への復旧助成を評価した上で「もっと早く制度ができていたら、救えた文化財があったのではないか」と指摘した。(飛松佐和子)

※11月9日付熊本日日新聞朝刊に詳報を掲載します。

(2018年10月22日付 熊本日日新聞朝刊掲載)