「高校生平和大使」テーマに 東京でミュージカル 来年8月に決定 劇作家・田中さん企画

 核兵器廃絶を訴えている高校生平和大使をテーマにしたミュージカルが制作されることが21日、分かった。企画した東京の劇作家、田中広喜さん(53)が長崎市内で明らかにした。来年8月の東京公演が既に決定しており、来秋ごろに同市内でも上演したい考えだ。
 新聞労連元職員の田中さんは、演出家・劇作家として社会問題を扱う作品も手掛けてきた。高校生平和大使が2014~16年に実施したジュネーブ軍縮会議での演説が、中国の反対で17年は見送られたことなどから関心が高まったという。
 脚本や演出はこれから練る。東京の劇団員ら約30人が出演、約2時間の作品とする予定。田中さんは「平和大使は東京ではまだまだ知られていない。彼らのひたむきさ、突き動かすものを描きたい。他の若い人たちも共感できることがあるのではないか」と語った。
 長崎、広島の市民団体「高校生平和大使派遣委員会」の平野伸人共同代表(71)は「活動に興味を持つ人が増えることを期待し、協力したい」と話している。
 高校生平和大使は1998年に発足。高校生1万人署名活動実行委員会が集めた反核署名を国連機関へ毎年届けている。今年は初めてノーベル平和賞の候補にもなった。

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