憲法で保障する表現の自由考える 鎌倉で市民団体が講演会

 憲法で保障する表現の自由について考える講演会が20日夜、鎌倉生涯学習センター(鎌倉市小町)で開かれた。市民団体「鎌倉ピースパレード」の主催で、約40人が参加した。

 同団体は6月と8月、改憲反対を訴えるデモの集合場所として同市役所前庭を使用しようと市に許可を申請。市は庁舎管理規則に基づく審査基準に照らし、「特定の思想、信条、宗教の普及を目的とする行為」に当たるとして不許可決定した。これに反発する同団体が「表現の自由や集会の自由を改めて考えたい」と企画した。

 講演会では永山茂樹東海大教授(憲法学)が登壇。原発や憲法などをテーマにした市民主催の催しに対する後援などを自治体が断る事例が相次いでいると指摘し、「表現の自由は全国で岐路に立っている」と述べた。

 さらに「市民が前庭に集合するだけで、特定の政治的信条を優遇するとは見られない」「『行政の中立性』とは、多様な思想信条を持つ人々に分け隔てなく接し、サービスを提供することだ」などと市の決定を疑問視。「市民の自由を幅広く保障していく大切さを、社会で共有していくことが必要」と訴えた。 

表現の自由などについて永山教授が語った講演会=鎌倉市小町

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