横浜港に水陸両用機お目見え サプライズ企画で実現

 横浜港で21日、広島県尾道市を拠点にする「せとうちSEAPLANES(シープレーンズ)」が運航する水陸両用の飛行機が飛来し、初めて港内に着水した。

 横浜市中区の横浜赤レンガ倉庫などで開かれたイベント「東京湾大感謝祭2018」のサプライズ企画。フロート(浮具)を付けた米国製単発プロペラ機が水しぶきを上げてゆったりと着水すると、市民や観光客らは驚きの声を上げた。

 実現に向けて尽力した横浜港振興協会の藤木幸太副会長は「歴史的な瞬間」と喜びを隠さない。「世界の富豪を乗せた豪華ヨットが寄港し、水陸両用機やヘリコプターが発着できる港を日本で実現させたい。それを横浜が率先すべきだ」と意義を強調した。

 戦時中、横浜海軍航空隊の飛行艇(水上飛行機の一種)基地が現在の同市金沢区富岡に置かれていた。当時は航空会社による南洋定期航路に就航した大型飛行艇の基地もあった。

 横浜港大さん橋国際客船ターミナル(中区)で熱心に機体に見入っていた田中保男さん(88)=同市磯子区=は「南洋航路の飛行艇の機上整備士だったいとこの案内で、当時、機内に乗せてもらったことがあった」と振り返る。「水上飛行機を75年ぐらいぶりに見て、いとこを懐かしく思い出した。これを機会に横浜港で遊覧飛行をしてほしい」と笑顔を見せていた。

横浜港に着水し、横浜赤レンガ倉庫近くの海上で披露された水陸両用機 =21日午前11時45分ごろ、横浜市中区

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