ロボットと人手

 目玉だったロボットの数を減らしているという。佐世保市のハウステンボスにある「変なホテル」。人の代わりにロボットが接客する未来型のホテルとして開業時はずいぶん話題になった▲音声認識能力の不足やメンテナンスなどで、従業員に負担が掛かったようだ。今のところは、導入したロボットがきちんと動くよう面倒をみる人手も必要らしい▲労働力人口の減少は日本社会の深刻な問題。「変なホテル」は人手不足に対応するロボットの活用事例としても注目されていたが、そんな時代が本格的に到来するのはまだ先の話だろうか▲人手不足への現実的な対応策として、政府は外国人労働者の受け入れ拡大を進める。介護や農業など幅広い業種を対象に、単純労働分野で新たな在留資格を設けるという▲人手が足りないなら外国人を…という、その発想が気になる。避けることのできない手立てなのかもしれないが、まるで日本の産業界に必要な歯車を外国から輸入しようとしているかのようにも映る▲異なる文化や習慣や宗教を持つ人々が、人生上の大きな決断をして働きにやってくる。日本で生活基盤を築く人も多くいるだろう。ロボットのように簡単に減らすことはできない、日本社会を支える大切な構成員となる。そんな気持ちで彼らを迎えよう。(泉)

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