住友電工、アルミ合金加工用カッタ開発 軽量部品の加工ニーズ捕捉

 住友電工は19日、アルミニウム合金加工用高速・高能率カッタ「アルネックスANX型」を開発し、19年3月に発売すると発表した。輸送機器業界などで軽量化部品の使用が拡大する中、アルミの加工能率向上に寄与する新製品を提供する。初年度販売目標は1億円で、2年後には3億円まで伸ばしていきたい考え。

 自動車産業などでは燃費向上のための部品軽量化ニーズが強く、アルミ合金などの使用割合が増加している。これらの部品加工では加工能率の向上を目的に、高速・高能率な加工条件で使用できる工具や、小型加工設備にも対応できる軽量工具のニーズが高まっている。住友電工はこうしたニーズを取り込むため、アルミ合金用高速・高能率カッタ「アルネックスANX型」を開発し、アルミ合金などの難削材加工において、高精度加工と高能率加工を高い次元で両立する。

 新製品は独自のブレード締結方法を採用することで、4・5刃/インチの多刃設計を可能とし、送り速度3万ミリ/インチ以上の高能率加工を実現。高速回転時の遠心力による刃先変位を最小化し、高い寸法精度を達成できる。またアルミボディを採用したことで、直径100ミリの工具径においても1キロ以下のカッタ重量を達成し、小型加工設備にも対応できる軽量工具とした。また、新開発の超硬合金成型技術を採用することで、クーラントがスミダイヤブレードを貫通し、高い圧力を維持したまま刃先に供給されるため、より細かな切りくず分断を実現している。

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