高田元知事「県民お別れの会」1422人 功績しのぶ

 長崎県知事を歴代最長の4期16年務め、9月8日に92歳で死去した高田勇氏の「県民お別れの会」が22日、長崎市内のホテルで開かれ、1422人が出席。実行委員長の中村法道知事は追悼の言葉で、雲仙・普賢岳噴火災害の復旧復興などの功績を列挙し「いったん決めたことには自ら先頭に立って気迫と粘りで着実に結果を残した」とたたえた。
 4人がお別れの言葉を述べた。同災害時に自治相だった深谷隆司氏は、高田氏らの強い要請で雲仙岳災害対策基金を1千億円に増額した経緯に触れ「あなたほど地域を愛し、住民を思う政治家は数少ない」としのんだ。中国の程永華駐日大使は「もし高田先生と(前任知事の)久保勘一先生の情熱がなければ、もし当時の中国共産党総書記の胡耀邦氏の英断がなければ、あれほど早い時期に駐長崎総領事館が設置されなかっただろう」との言葉を寄せ、代読した劉亜明総領事が涙をぬぐった。
 終了後の取材に対し、元県観光連盟会長の野崎元治氏(90)は「謹厳実直な方だった。たまにマージャンを一緒に楽しんだのが懐かしい」。高田氏の次男陽介氏(53)=警察庁官房審議官=は「父が多くの方に支えられていたことを今日改めて実感させていただいた」と話した。

追悼の言葉を述べる実行委員長の中村知事=長崎市大黒町、ホテルニュー長崎

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