【MLB】評価上昇続く元広島ブレイシアがWS出場へ「日本でメカニクスと自信を再構築」

レッドソックスのライアン・ブレイシア【写真:Getty Images】

今年のワールドシリーズは「苦難から復活した選手たちの戦い」

 ポストシーズンで7試合無失点中と活躍し、評価がさらに上昇しているレッドソックスのセットアッパー、元広島のライアン・ブレイシア投手が、ワールドシリーズ「9つの復活ストーリー」に登場した。MLB公式サイトがドジャース、レッドソックスで苦難を乗り越えて復活を果たした選手を特集したもので、ブレイシアはその2番目に登場している。 

 記事は冒頭で、昨年春にアスレチックスを解雇されてドジャースとマイナー契約を結び、今季はクリーンアップを打つ主砲として活躍するマンシー内野手とブレイシアを登場させ、「もし、昨年春に肩をたたいて『君は来年、ワールドシリーズに出ることになるよ』と言ったら、きっと何と言っていいか困ったことだろう」との書き出しで始まる。 

 34試合2勝0敗、防御率1.60という活躍を見せたレギュラーシーズン終盤から、ブレイシアの評価は日ごとに上昇。プレーオフでの鉄壁リリーフぶりに、米国では18勝でナ・リーグ最多勝を獲得した元巨人のマイルズ・マイコラスと並び、“日本からの逆輸入投手”成功例の代表として語られるようになった。 

 ブレイシアについて、特集は「こういうことが起きるのは、球団が優秀なスタッフを雇い、彼らの判断に信頼を置いているからこそである。ブレイシアは日本で1年間プレーしたのち、3月初旬に契約を結んだ。その日本で、彼は投球メカニクスを自信を再構築した」とした。さらに記事は「レッドソックスが彼を7月に3Aから昇格させた時には、彼の31歳の誕生日まで1か月と迫り、最後にメジャーリーグで登板した時点から5年を迎えようとしていた」としており、これほどのブランクをおいてブレークしたことに驚きをにじませている。

レッドソックスのライアン・ブレイシア【写真:Getty Images】

ブレイシアの他にもジャーニーマン、遅咲き、故障から復活、ジンクス克服…様々なドラマ

 ブレイシアとマンシーのほか、記事では次の7人が挙げられている。今年のワールドシリーズは、ある意味苦労人たちの戦いと言ってもいいかも知れない。 

〇ドジャース 

クリス・テイラー内野手 
(2016年、マリナーズで極度の不振に陥りドジャースに移籍) 

リッチ・ヒル投手 
(2015年、レッドソックス在籍時は故障でわずか4試合登板に終わる) 

マット・ケンプ外野手 
(今年ドジャースに復帰。高年俸選手整理のため即放出とも言われたが大活躍) 

ジャスティン・ターナー内野手 
(レッズからトレードでオリオールズ、ウェーバーでメッツへ移籍。さらにドジャースへ移って30歳にして強打者として開花した) 

〇レッドソックス 

スティーブ・ピアース内野手 
(今季6月に自身7球団目となるレッドソックスに移籍加入。アストロズとのリーグ優勝決定シリーズ第3戦でプレーオフ初となる勝ち越し弾) 

デビッド・プライス投手 
(メジャーを代表する左腕ながら、昨年までプレーオフで勝利なし。アストロズとのリーグ優勝決定シリーズ第5戦で20試合、12回目の先発でようやく初勝利) 

ネイサン・イオバルディ投手 
(ドジャースとマーリンズからトレードで放出され、ヤンキースで2度目のトミー・ジョン手術を受け解雇。レイズを経て今年7月にトレード加入)(Full-Count編集部)

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