『search/サーチ』 PC上だけの展開で緊張感を絶やさない監督がすごい!

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 サンダンス映画祭で観客賞を獲った本作はパソコンのスクリーン上だけで全ての話が進んでいくという斬新なアイデア。アメリカで真っ先に観た本作は、あまりの面白さに大興奮して帰ってきました。

 ある日、主人公の娘マーゴットが朝になっても帰らず、そのまま行方不明となってしまうところから物語は始まります。デビッドは、自分の娘を探すため、彼女のパソコンを立ち上げてInstagramやFacebookを調べ始めるのです(私自身、今子供たちの生活は全てSNSに詰まっていることに気づかされました)。そして監督の演出はお見事の一言。例えば、娘に「いつ帰ってくるの?」というメールを打つシーンで、メールの作成画面では何度も父親が文章を打ち直す過程で、こう書くべきか、ああ書くべきかを迷う感情が観客にきちんと伝わってくるのです。他にも、なるほど!という演出が続々。スリリングな展開に、緊張感が途切れることは一度もありません。

 監督は、メガネ型端末のグーグルグラスだけで撮影したYouTube動画「Seeds」がネットで話題となり、本作で長編デビューした27歳の若手。独特な感性は、映画界が面白くなる期待を感じさせてくれます! ★★★★★(森田真帆)

監督:脚本 アニーシュ・チャガンディ

出演:ジョン・チョー、デブラ・メッシング

10月26日(金)から全国公開

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