メルセデスF1代表、シート喪失危機のオコンに対し「2020年に強力なマシンに乗れることを保証」

 メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフは、育成ドライバーとして支援するエステバン・オコンについて、2019年シーズンにウイリアムズF1と契約に至らなかったとしても、2020年に競争力のあるF1チームと契約できることを保証すると公言した。

 現在のF1で最高の能力を持つドライバーのひとりと目されているオコンは、ローレンス・ストロール率いる投資家連合がフォース・インディアを買収したことにより、2019年のシートからはじき出される可能性が高い。

 メルセデス傘下のドライバーであるオコンにとって、マクラーレンあるいはトロロッソ・ホンダへの移籍は難しく、メルセデス製パワーユニットを使用しているウイリアムズが最後の選択肢となりそうだ。

 ウイリアムズはオコンとの契約に乗り気だが、そのためには追加の資金が必要となってくる。

 仮にオコンがウイリアムズとの契約に至らず2019年シーズンにF1で活動できなかった場合、メルセデスとしては“Bプラン”を発動するつもりだ、とウォルフは語る。

「7月の時点で私はエステバンがルノーと契約するはずだとかなり楽観視していた」とウォルフは語った。

「我々が決められることではないので難しい。ウイリアムズは、誰がチームにとってベストなドライバーなのかを決める必要がある。候補はエステバンに限らないだろう。ロバート(・クビカ)もリストに載っているだろうし、他にも何人かいるだろう。そしてその全員にとって、シート獲得のチャンスがあるはずだ」

「ウイリアムズの決断を待つ。そして我々はエステバンについては、次の策も準備している」

「私は、エステバンが2020年に強いF1マシンに乗れるということは保証する。多くのチームがエステバンに興味を示しているからだ」

 ウイリアムズは、主要スポンサーであるマルティーニとの契約が2018年シーズン末で終了するため、新たなパートナー探しに奔走している。メルセデスがオコンの移籍に伴う経費を負担することはなさそうだが、それでもウォルフは以前自身が株主でもあったウイリアムズについて、できる限り支援したいと話す。

「我々が手助けできる部分についてはサポートしたい。ただ、私には『こうすれば移籍が進められる』というような策はない」

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