Rソックス対ドジャースの対戦は「先発重視」のシリーズとなるか

レイズが「オープナー戦法」を先発ローテーションの一角として採用し、先発ローテーションの谷間に「ブルペン・ゲーム」を採用するチームが増えるなど、新たなトレンドが生まれた今季のメジャーリーグ。ポストシーズンでもブリュワーズを中心にブルペンに多くのイニングを任せる試合が目立ったが、先発4枚がしっかり確立している2球団が対戦するワールドシリーズはそのトレンドに逆行した「先発重視」のシリーズとなるかもしれない。

ブリュワーズは地区シリーズ初戦で「オープナー」にブランドン・ウッドラフを起用し、リーグ優勝決定シリーズでも第5戦に先発したウェイド・マイリーを打者1人と対戦しただけで降板させるなど、先発投手の早期降板とブルペンへの依存が目立った。ワイルドカード・ゲームで敗退したアスレチックスも一発勝負の一戦でリアム・ヘンドリックスを「オープナー」として先発させ、球界に新たなトレンドが定着しつつあることを強烈に印象付けた。

しかし、レッドソックスはクリス・セール、デービッド・プライス、ネイサン・イバルディ、リック・ポーセロ、ドジャースはクレイトン・カーショウ、柳賢振(リュ・ヒョンジン)、ウォーカー・ビューラー、リッチ・ヒルの4人が先発ローテーションを形成して本来の先発投手の役割を果たしており、ワールドシリーズで「オープナー戦法」が採用される可能性は低い。もちろん、試合の流れを左右するような場面や負けられない一戦で先発投手をリリーフで投入するケースはあるかもしれないが、これはこれまでの短期決戦でも見られたポストシーズン特有の戦い方であり、新たなトレンドに影響されたものではない。100球を目処に長いイニングを任されるであろう先発投手たちがいかに自身の役割を果たすことができるかが、勝敗の行方を大きく左右することになるだろう。

「オープナー戦法」、「ブルペン・ゲーム」など新たなトレンドが生まれたメジャーリーグだが、最終決戦であるワールドシリーズの舞台に駒を進めたのは頼れる先発投手を4枚揃えた2球団。時代は変わりつつあるとはいえ、先発投手の重要性は今後も変わらないのではないだろうか。

© MLB Advanced Media, LP.