【MLB】小林幹英コーチの助言も糧に―元広島ブレイシア、PO7戦連続無失点で初WSへ

レッドソックスのライアン・ブレイシア【写真:Getty Images】

ヤンキースとの地区シリーズ第1戦では「雰囲気に飲まれてしまった」

 レッドソックスとドジャースが世界一をかけて激突するワールドシリーズ(WS)が23日(日本時間24日)にボストンのフェンウェイパークで開幕する。2013年以来5年ぶりのWS進出を果たしたレッドソックスを支えるのが、鉄壁のブルペン陣。その中でもプレーオフで7戦連続無失点という快投を続けているのが、元広島のライアン・ブレイシア投手だ。

 今季プレーオフでは7試合で7イニングスを投げ、4安打6奪三振5四死球無失点。被打率.160と打者を圧倒しているが、初登板となったヤンキースとの地区シリーズ第1戦は手こずった。

 5点リードの6回1死一、二塁で先発クリス・セールの後を継いでマウンドへ。最初の打者ボイトに右前へタイムリーを運ばれ、なおも一、三塁でグレゴリアスが二ゴロの間に三塁走者が生還。続くアンドゥハーに四球を与えたところで降板した。セールが残した2走者を返したものの、3番手ワークマンの好救援で自身が出した走者は返らず、自責点はつかなかった。

 この時の登板を振り返り「気分が高まりすぎていた部分もあるし、緊張していた部分もある。球場の雰囲気に飲まれてしまった」と明かすが、第2戦で1回を投げて3三振を奪うと、ここから快投劇のスタート。「気持ちの持ち方を変えたとかは一切ないけれど、第1戦の後にクリス(・セール)がかけてくれた言葉に救われた」という。

ブレイシアを救ってセールの言葉「試合に勝ったんだからいいじゃないか」

「クリスに2失点をつけてしまったんだけど、試合後に『試合に勝ったんだからいいじゃないか。気にするな。また勝とう』って声を掛けてくれたんだ。そこから球場の雰囲気を楽しみながら、しっかり結果を残せている」

 昨季は広島でプレーしたが、外国人枠の問題などもあり、26試合に投げて2勝1敗1セーブ、防御率3.00で終えた。シーズンの大半を2軍で過ごしたが、小林幹英投手コーチらにアドバイスを受けながら、変化球の状態を安定させるために投げ込んだ。おかげでメジャー復帰を果たした今季の好調につながっていると話す。

 今季開幕をマイナーで迎え、メジャー昇格を果たしたのは7月8日だった。「7月以降はあっという間に時間が過ぎて、クレイジーの一言だ」と驚いた様子を見せる。ブルペンの状態が勝敗のカギを握ると言われるプレーオフで、今や鉄壁レッドソックス救援陣に欠かせない存在となった。悲願の世界一まであと4勝。ブレイシアの右腕にも大きな期待が掛かっている。(Full-Count編集部)

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