厚木市は23日、所有する官民複合施設「アミューあつぎ」(同市中町)内の映画館「アミューあつぎ映画.comシネマ」について、同館を運営するシーズオブウィッシュ(同所、青山大蔵社長)が11月9日の上映を最後に事業を撤退する、と発表した。12月下旬から別の運営会社による上映を予定している。
シーズオブウィッシュは施設開業の2014年4月から2館体制、16年からは3館体制で映画を上映してきた。リクエストで上映作品を決める方式で地域密着を目指し、17年度には約8万人が入館したという。
青山社長は撤退理由について「入館者数は増えていたが賃料が上がり、作品を購入する映画料も上がって経営が苦しくなった。会員数も思うように増えなかった」と説明。また、「お年寄りが広いロビーでおしゃべりできるようにし、『映画館に来て孤独をなくそう』と福祉施設としての映画館を目指したが、うまくいかなかった」と話した。
前身の旧「厚木パルコ」が08年2月に撤退後、アミューあつぎ開業まで市内には映画館がない状態が続いただけに、市も「地域に根ざした映画館はありがたく、続けてほしかったのだが」と残念な様子だった。