【福島県知事選】前回の投票率は45.85% 若者必読!投票日までに知っておきたい10の数字

10月11日告示、10月28日投開票というスケジュールで行われる福島県知事選挙。
次の知事の任期の内に復興庁が設置期限を迎えることもあり、選挙戦では様々な観点から福島の未来が語られることになります。また、福島県では18歳選挙権のもとで行われる初めての県知事選挙ということもあり、若者の動向も注目されています。
そこで、福島県政において若者とかかわりのある10の数字をご紹介します。候補者の政策を読み解く際の参考資料として、ぜひご確認ください。

福島県の人口は192万人:2000年代に入ってから続く人口減

福島県の人口は約192万人(平成30年1月1日住民基本台帳人口)、平均年齢は48.2歳(2015年国勢調査)です。
県の人口は2000年代に入ってから減少が続いています。特に目立っているのが若者の県外への移動です。図表にもあるように、高校や大学の卒業を迎える年代で毎年5,000人程度の転出超過となっていることがわかります。なお、国勢調査を基にした分析では、若者世代の県外への転出超過が1980年代から続いていることも明らかになっています。

図表1_福島県の年齢別人口の推移、年齢階級別純移動数

また、少子高齢化の影響も今後ますますはっきりと表れてきます。
65歳以上の方は、2010年には県民の4人に1人でしたが、2020年には3人に1人となり、2040年には40%以上の県民が65歳以上の方になる見込みです。

2020年には7千人の介護人材の不足が予想されている

高齢者人口の増加は、近い将来の介護需要の増加にも結び付いていきます。
厚生労働省の調査によると、2016年度に福島県内には2.9万人の介護職員の方がいましたが、2020年には3.8万人、2025年には4.2万人の介護職員の需要が見込まれています。
今後も介護職員の増員が進められる見込みですが、2020年に見込まれている職員数は3.1万人と7千人程度の不足が見込まれています。

福島県の待機児童:371人(保育所)と285人(放課後児童クラブ)

少子高齢化の傾向が強まる一方で、福島県の合計特殊出生率(平成29年度)は1.57と全国平均1.43を上回っています。地域の中で子どもたちが健やかに育まれ、活躍していくことが期待されますが、子育てに関する課題もあります。
厚生労働省による調査では、福島県の待機児童数は今年の4月1日時点で371人。前年度からは245人の減少となっていますが、近年は400人程度の待機児童がいる状態が続いています。なお、人口当たりの待機児童数は10番目に多い都道府県となっています。
また、「小1の壁」が有名な放課後児童クラブの待機児童数は前年度(384人)よりも99人減って285人(2017年5月1日時点)となっています。2014年5月1日時点の放課後児童クラブの待機児童数は159名でしたので、近年その需要が高まっていることがわかります。

福島県の医療環境:10万人当たりの小児科医数95.6人は全国33番目

10万人当たりの小児科医数は95.6人と、福島県は全都道府県の中で多い方から数えて33番目となっています。なお、診療科を問わない医師数は166.6人と全国で38番目です。

図表2_福島県の人口10万人当たりの医師数、小児科医数

人口当たりの医師数、小児科医数ともに、多い方から順に並べていくと、近年、福島県は30番台後半~40番台前半の順位が続いています。

女性の就業率は66.3%―全国で19番目

男女共同参画白書(平成29年版)によると、福島県の女性の就業率は66.3%と全国で高い方から数えて19番目となっています。
また、文部科学省の調査では福島県の女性の大学進学率は49.1%(全国平均57.7%)と全国で40番目となっています。
なお、男性と女性を合わせた大学進学率は46.3%と全国で36番目です。

有効求人倍率は1.47倍―平成25年度から1倍を超える状況

全国的にも「売り手市場」にあると言われている雇用環境ですが、福島県でも人手不足が顕在化しています。
福島県における有効求人倍率は平成25年度(1.27倍)から1倍を超える状況が続き、昨年度は1.47倍でした。復旧工事や除染などに伴う復興需要のピークは過ぎたとの見方が強い一方で、少子高齢化に伴う働き手不足の影響が生じているとの主張もあります。
なお、正社員の有効求人倍率も上昇が続いており、平成29年度には0.98倍となっています。

1人当たり県民所得は294.1万円―東北地方では宮城県に次ぐ規模

県民経済計算によると、福島県の平成27年度の県内総生産(名目)は7兆8240億円、増加率は0.8%でした。増加率は全国平均(3.1%)を下回っていますが、県内総生産の規模は東北地方では宮城県(9.5兆円)に次ぐ規模となっています。

また、平成27年度の1人当たり県民所得294.1万円はすべての都道府県の中で高い方から数えて18番目となっています。県民所得の増加率は年によってばらつきがあるものの、平成24年度からは4年続けてプラスになっています。

農業産出額は2,077億円。食料自給率77%

平成 28 年の農業産出額は 2,077 億円で、前年と比べ 104 億円(5.3%)増加しています。なお、全国での順位は 17 位でした。
経年で比較すると、農業産出額は震災後に1,851億円(平成23年)まで落ち込みましたが、震災前の水準(平成22年:2,330億円)が近づいてきています。

また、福島県の食料自給率は77%(カロリーベース。平成27年度)と、国(39%)を大きく上回っています。
一方、耕地利用率は震災以降75%程度にとどまっており、全国平均(92%程度で推移)、東北平均(84%程度で推移)と差が開いています。

平成30年度予算は1兆4,472億円。県民一人あたりでは75.4万円

福島県の平成30年度当初予算は1兆4,472億円です。県民一人あたりにすると、75.4万円になります。
予算の使い道としては、学校の運営や文化の振興などにあてられる教育費16.0%が最も多く、続いて除染対策や県民の健康管理等を行う衛生費14.6%、土木費13.6%、中小企業の支援等を行う商工費9.5%となっています。
昨年度と比較すると、衛生費への支出が2,000億円ほど減少していることが特徴的ですが、これは昨年11月に住宅除染が終了したことなどが背景にあります。

前回県知事選挙の投票率は45.85%

福島県知事選挙の有権者数は約161万人です。福島県を100人の村に置き換えてみると、村人の内84人が投票権を持っていることになります。ちなみに、前回県知事選挙の投票率は45.85%でしたので、今回も同じ投票率だと仮定すると、県知事選挙で投票する村人は39人となります。
なお、衆議院議員選挙での10代有権者の投票率は39.26%と、全年代平均56.69%を下回っています。また、全国の10代有権者の投票率40.49%よりも低くなっています。
選出される知事の任期内である2020年度に復興庁が設置期限を迎えることに象徴されるように、今回の県知事選挙は福島県の未来にとって1つの転換点となります。
今後、他のどの世代の方よりも長く福島県と関わりを持つことになる若い世代の方は、これから福島に暮らす人たちや、仕事や子育てをめぐる環境がどのようになっていくことを望まれるでしょうか。
転換点を迎える福島県において、多くの若者が福島の未来を「自分ごと」として考え、各候補者の政策を読み解き、納得のいく1票を投じていくことが期待されます。

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