日立金属、新ダイカスト金型材を開発

1万トン級鍛造プレス活用、新標準鋼種に

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 日立金属は23日、次世代の標準ダイカスト金型用鋼「DAC―i」を開発し、11月から販売開始すると発表した。独自の合金組成や組織制御技術に加えて、5月に安来工場で本稼働した1万トン級自由鍛造プレスを活用し、汎用鋼でありながら高温強度や靭性に優れ、大型化ニーズにも適する熱間工具鋼を開発した。自社の汎用ダイカスト金型材の4割を新鋼種に切り換えていく計画だ。

 自動車の低燃費化や低価格化の進展などを背景に、軽量でリサイクル性の良いアルミダイカスト製品の適用範囲が広がり、ダイカスト製品の大型化や高意匠化も進んでいる。

 これに伴い金型も大型化する傾向にあるが、大型材は熱処理が難しく、靭性低下による大割れのリスクが高まる。またダイカスト製品の成形サイクル時間の短縮も進んでいるが、鋳造時の加熱・冷却の温度差による金型への負荷が大きくなり、ひび(ヒートクラック)が発生しやすくなる。

 こうした課題に対して同社は高性能ダイカスト金型用鋼「DAC―MAGIC」を開発し、高温強度だけでなく被削性や耐応力腐食割れ性にも優れた戦略鋼種として拡販している。ただダブルメルト材でコストが高くなるほか、一般材とは成分設計が異なるため端材が使いにくい、特別な熱処理条件が必要といった面がある。

 1万トン級プレスは総額115億円(建屋・周辺設備含む)を投じた設備で、熱間工具鋼、航空機・エネルギー部材など複合的な製品戦略で投資を可能にした。

 新鋼種は11月の日本ダイカスト会議・展示会(パシフィコ横浜)にも出展する。