ホークス、日本Sへ始動 工藤監督は丸と菊池を警戒「いろんな作戦ができる」

ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】

広島と激突する日本Sが27日開幕「相手を知る上でのデータは大事」

 24日、ソフトバンクが27日に開幕する日本シリーズに向けてヤフオクドームで全体練習を行った。工藤公康監督は、2年連続の同シリーズ制覇に向けて「いい調整と相手を知ること」をポイントに挙げた。

 クライマックスシリーズ(CS)の2つのステージを勝ち抜いて、日本シリーズへと駒を進めたソフトバンク。チームは移動日と1日だけの休養日をはさんで、日本シリーズに向けてヤフオクドームで始動した。

 工藤公康監督は練習前の円陣で、選手に向かって準備の大切さとデータの重要性を説いた。練習後に報道陣との時間を設けた指揮官は「あれもこれもという時間もない。(CSの)疲労もあるでしょうし、いい調整をしなきゃいけないということですね」としたうえで、「交流戦(での対戦)は1つのデータとして取れるとしても、近々のCS3試合であったり、優勝が決まるまでのシーズン終盤のデータが大事になってくると思います」とした。

「相手を知る上でのデータは大事。相手を知ることで自分が落ち着けるし、冷静にいい判断ができることもある。僕も現役時代はデータを調べることで安心して投げられましたから」と自らの経験も重ねながらデータの重要性を強調。CSファイナルステージで西武の秋山翔吾外野手に仕事をさせなかったようなデータ解析力を、広島に対しても発揮していくつもりだ。

 先発については「7戦を考えたローテーションということになる」とすでに考えをまとめているようだが「僕としては先発がしっかり投げて勝つのが理想。ただ(ビジターでは)投手がバッターボックスに入って打って走ってという、普段やらないこともやらなきゃいけないので、試合をやりながら考えてあげないといけないと思います」という。また、DH制のないビジターゲームのオーダーについては「難しいですね。代打の使い方もしっかりやっておかないと投手の代え時を間違ったりもするので」として、具体的な話は避けた。

 広島のチームとしての印象は「足を使った打撃のチーム。逆転の広島と言われるように、何とかして勝つという思いが強いし、逆境の中で点が取れるような1つにまとまったチーム」と語る。その中でも警戒すべきキーマンとして菊池涼介内野手と丸佳浩外野手の名前を挙げ「彼らが塁に出れば足もあるし、いろんな作戦ができる」と語った。

 チームは25日に広島に移動してマツダスタジアムで練習を行う予定だが、工藤監督はチームとは別に東京へ移動してドラフト会議に出席。広島との大一番の前に、ソフトバンクの将来を支える選手の使命に全力を尽くす。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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