「スカジャンをユニフォームに」 マリノスとの地域活性を探る会合 横須賀市で

 プロサッカークラブと連動したまちづくりを考えるワークショップが19日、横須賀市内で開かれた。横須賀をホームタウンの一つにするサッカーJ1横浜F・マリノスの運営会社が主催。サッカーを軸にしたスポーツクラブの創設やスポーツバーの開店など、市民が地域を盛り上げるための知恵を絞った。

 横浜F・マリノスは横浜、横須賀、大和の3市をホームタウンにしている。横須賀市内ではジュニアユースチームなどが活動。2022年をめどに、トップチームの練習拠点を新横浜公園(横浜市港北区)からJR久里浜駅周辺に移転する方向で、クラブと横須賀市などが調整している。

 横須賀とのゆかりが今後さらに深くなることから、運営会社の横浜マリノスが、クラブの存在を地域の活性化や課題解決にどう生かすか市民に考えてもらおうと、ワークショップ「マリノス・オープンイノベーション会議」を企画。会場になったシェアオフィス「16Startups」(イチロク・スタートアップス、同市小川町)を運営する「マチノベ」が共催した。

 参加したのは主婦や経営者ら約25人。「横須賀が直面している課題」と「なりたい姿」をテーマに、グループに分かれて議論した。

 課題に「宿泊する場所が少ない」「終電が早い」「外国人との触れ合いが意外と少ない」などが挙げられた。なりたい姿では「西地区のアクセスを良くしたい」「JR湘南新宿ラインを三浦半島に通したい」など、利便性の向上を求める意見が多く寄せられた。

 課題と理想を整理した上で、地域活性化のためにクラブの存在を生かすアイデアを話し合った。参加者は「サッカーを軸にした地域総合スポーツクラブを創設したい」「京急線横須賀中央駅前に『マリノスバー』を開き、『マリノスビール』を飲みながらサッカーを観戦する」などのアイデアを発表。中には、名物のスカジャンをユニホームに改良するというユニークな意見も出された。

 議論を見守った横浜マリノスの塚本秀徳・常務取締役は「さすがにスカジャンを着用してプレーはできないが、選手がピッチに入場する時に着る可能性はある」と応じ、「素晴らしいアイデアが多く、今後もワークショップを続けたい」と講評。Jリーグの藤村昇司・社会連携本部長は「まだ私たちも気付いていないアイデアがたくさんある。ワークショップを全国のホームタウンでも広めたい」と話した。

プロサッカーチームを生かした地域活性化策を発表する参加者 =19日、横須賀市小川町

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