ネクスト釜本は誰だ!東京五輪で期待したい4人の“真正”ストライカー

今から50年前の1968年10月24日、サッカーの日本代表チームはメキシコ五輪の3位決定戦で地元メキシコを撃破し、銅メダルを獲得した。

50年前というと日本がワールドカップに初出場する30年も前のこと。サッカー界にとって“夜明け前”ですらない時代であるが、この大会ではエースの釜本邦茂がメキシコ戦での2点を含む7ゴールを記録して得点王に輝き、男子では現在まで唯一となっているメダルを手にした。

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2年後の2020年には東京で二度目の五輪が開催される。そこで今回は、東京五輪において釜本のような活躍が期待される“真正”ストライカー候補たちをご紹介しよう。

小川航基(ジュビロ磐田)

1997年8月8日生まれ(21歳) 186cm/78kg

神奈川の名門・桐光学園時代に「高校ナンバー1」と呼ばれたストライカー。

2016年に加入したジュビロ磐田では、クラブの元エースFW前田遼一(現FC東京)が背負っていた「18番」を与えられ、昨年のルヴァンカップで4得点を記録した。

186cmの長身にしては俊敏で技術面にも優れ、相手を背負った際の足元の収まりも優秀だ。タイプとしては現在の大迫勇也(ブレーメン)に近く、1トップでの起用に応えられる逸材だろう。

そんな小川はチームの発足以来、東京五輪のエース候補最有力だった。しかし堂安律(現フローニンゲン)らと出場した昨年のU-20ワールドカップ大会中に左膝前十字靭帯断裂および半月板損傷という重傷を負って以降は思うようなプレーが出来ていない。

今年4月に実戦復帰したもののあまり出場機会を得られておらず、今季は公式戦15試合に出場して未だ無得点となっている。

若い世代の台頭もあり前途はやや厳しいが、前十字靭帯断裂の負傷を負った際に小川はSNSにこう記している。「東京オリンピックで絶対活躍します!!!リハビリ頑張ります!サッカー大好きです。

田川亨介(サガン鳥栖)

1999年2月11日生まれ(19歳) 181cm/70kg

近年、下部組織が充実しているサガン鳥栖が世に送り出す“最高傑作”候補の逸材。

まだ19歳だがプロ1年目の昨年、フィッカデンティ前監督に評価されJ1で4得点をマークすると、2月に行われた神戸とのJ1開幕戦では自身が獲得したPKを直訴して蹴り、今季のJリーグ第1号ゴールを記録した。

世代別の日本代表でも際立っており、2017年のU-20W杯に久保建英とともに“飛び級”で参加。今年は1つ上の五輪世代で臨んだトゥーロン国際大会でU-19ポルトガル代表、先月のメキシコ遠征ではU-19ブラジル代表からゴールを奪い、現在はインドネシアで開催中のAFC U-19選手権に参加している。

田川がお手本としているのはレヴァンドフスキ(バイエルン)で、50m6秒0の爆発的なスピードを生かした裏への抜け出しと強烈な左足を武器とする。今夏には英国のレスターから関心が伝えられたが、その高い個人能力と物怖じしない性格はまさに“国際規格”と言えよう。

鳥栖ではフェルナンド・トーレスと金崎夢生の加入により出場機会を失っているものの、このU-19選手権の活躍次第では鎌田大地(現シント=トロイデン)のようにすぐに欧州へ旅立ってしまうかもしれない。

上田綺世(法政大学)

1998年8月28日生まれ(20歳) 180cm/72kg

法政大のエースとして名を馳せており、“大学ナンバー1”との呼び声が高いストライカー。

今年のトゥーロン国際大会では、三笘薫(川崎入りが内定)との大学生コンビでU-19ポルトガル代表から2ゴールを記録し逆転勝利の立役者に。アジア大会では壮絶な戦いとなった韓国との決勝で延長戦にヘディングゴールを決めるなど大会3得点を記録した。

そんな彼は、元イタリア代表のフィリッポ・インザーギ、元アルゼンチン代表のガブリエル・バティストゥータらに憧れる「昔ながら」の点取り屋だ。

チームでの機能性や精度には課題が残るものの、スピードとDFラインの裏を突くタイミング、ポジション取りの巧さは絶品で、得点のほとんどはワンタッチ。この年齢にしては末恐ろしいほど「明確な自分の形」を持っている。

それ以上に魅力なのが精神面で、どんな相手や決定的な場面でも慌てることたく淡々とプレーする性格、「ゴールを奪うことだけを考えてきた」とあっさり言ってのける気質は、彼こそ「釜本の後継者」と呼ぶに相応しいかもしれない。

宮代大聖(川崎フロンターレ)

2000年5月26日生まれ(18歳) 178cm/73kg

生まれは東京都港区だがU-12から川崎フロンターレ一筋で、中学3年時に飛び級で川崎のU-18に参加しそのままエースストライカーになったという逸話を持つ。今年4月、高校在学中にプロ契約を結んだ。

総合能力の高いFWで、魅力は決定力。特にシュート技術は傑出しており、川崎のGK新井章太は過去に「トラップ、ファーストタッチがめちゃめちゃ上手くて、シュートやばいっす、マジで。 今までで一番凄かったなっていうくらい」と絶賛したことがある。

その言葉通り、宮代は各世代の日本代表でコンスタントに得点を決めている。昨年のU-17W杯では2ゴールを記録し、現在開催中のAFC U-19選手権でも北朝鮮から1点、先日のタイ戦でも両足からの強烈なシュートが何度もゴールを強襲し、フリーキックを含む2点を決めた。

年齢的には東京五輪で一番下の世代となるが、彼の能力からすれば選ばれても何ら不思議ではない。それほどの才能を持つ点取り屋だ。

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