乳がん誤診で一部切除、検査機関などに慰謝料命じる判決

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 生体検査で乳がんと誤診され、必要のない乳房の一部切除や放射線治療を受けさせられたとして、京都府内の女性(54)が検査を行った京都病理研究会(京都市伏見区)や宇治病院(宇治市)に対し、3千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、京都地裁であった。久保田浩史裁判長は「良性・悪性の判断が困難な場合、悪性であると確定診断することは病理医の注意義務に反する」と過失を認め、同会と病院に対して慰謝料など740万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は2005年9月、宇治病院での触診検査などでがんの疑いがあると診断された。同病院から委託を受けた京都病理研究会の病理医が乳房の生体検査を行い「がんはある」との報告書を作成。同月、病院側は報告書を基に、女性の左乳房の一部とリンパ節の切除手術を行った。女性はリンパ節の切除により左肩に関節障害が残った。

 その後、同病院などで約5年間、放射線治療やホルモン治療を受けた。しかし、10年6月に別の病院で検査した結果、手術前や手術時の生体から、がんは見つからなかった。

 久保田裁判長は、女性の生体は確定的判断が困難だったとした上で「がんと診断することは、患者に不要な治療による身体的侵襲や経済的・心理的負担を与えることになり、病理医の注意義務に反する」と指摘。生体検査の委託を行った宇治病院に対しても「履行補助者として責任を負う」として過失を認めた。

 京都病理研究会は「判決文を読んでいないのでコメントできない」と話した。