夜間の非日常感楽しむ 県内の図書館、水族館で子ども向け企画好評

利用者増を期待

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イベント中に読書をする児童。奥に並ぶテントに泊まった=13日夜、水戸市三の丸の県立図書館

茨城県内の図書館や水族館が子ども向けに宿泊型イベントを開き、好評を得ている。普段は味わえない夜間の非日常感を楽しんでもらうとともに、施設への理解を深めてもらうのが狙いだ。将来の利用者を育てたい“青田買い”の考えものぞく。

■全国で初

13日夜、水戸市三の丸1丁目の県立図書館。1階のエントランスホールにアウトドア用のテント6基が並ぶ。小学5、6年生を対象に1泊2日で実施した「図書館に泊まろう!」の光景だ。

閉館から翌日の開館までの時間を活用した。保護者は送迎のみ。大半を子どもたちと職員で過ごした。同様の催しは非常に珍しく、都道府県立の図書館では全国で初めてという。20人の定員に約50人の応募があった。

イベントは、検索機を使った本探しやボランティアによる読み聞かせに加え、お薦めの図書を紹介する「ビブリオバトル」も盛り込み、児童が本や図書館に親しみを持てるよう趣向を凝らした。

参加した結城市立結城小6年の勝田有紀さん(12)は「ここには初めて来た。みんなとテントの中で話したり、本をたくさん読めたりして楽しかった。利用カードも作ったのでまた来たい」とはにかんだ。

■深い学びへと

大洗町磯浜町のアクアワールド県大洗水族館では、年に数回実施している「ナイトキャンプ」が人気を集めている。環境と生き物への理解を助ける「自然体験塾」の一環として、開館した2002年から続けている。

45人程度の定員だが、倍率は高いときで十数倍に達するという。飼育員と一緒に夜の館内を探検したり、生き物講座を聞いたりする内容だ。夜はサメやマンボウの水槽の前で寝袋にくるまって過ごす。近年は大人限定のキャンプも企画し、マンネリ化を防ぐ。

担当者は「夜行性の魚や眠る動物など普段は見られない様子が観察でき、深い学びにつながる。楽しんでもらえれば、水族館としてもうれしい」と強調する。

■マニュアル化

ただ、図書館も水族館も施設として宿泊は想定外。宿泊道具の調達に加え、快適性の確保はスタッフの工夫に委ねられている。

両施設はともに、夕食と入浴を事前に済ませてもらうことで、設備の不足感を補っている。大洗水族館は寝袋の持参を求め、「場所だけを提供する形での運営」(担当者)だ。県立図書館は、県立中央青年の家(土浦市)や国立磐梯青少年交流の家(福島県猪苗代町)から無償でテントと寝袋を借りてしのいだ。

県立図書館の大槻晋吾・普及課長は「手探りの開催だったが、『図書館に行ってみようかな』と思ってもらえれば。運営手順をマニュアル化し、市町村の図書館でもできるようにしたい」と拡大に意欲を示した。(鈴木剛史)