「開かれた議会」へ地方議会の実態は?

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 地方議会が議場を出て住民に活動を説明し、要望や意見を直接聞く取り組みが変化しつつある。「開かれた議会」の一環として兵庫県内でも7割にあたる30議会が導入しているが、議会側が一方的に説明する内容では関心が高まらず、参加者の固定化も課題に。このため少人数のグループによる意見交換やテーマを絞って参加者を募るなど工夫する議会も増えている。(若林幹夫)

 神戸新聞の各議会事務局への取材では、兵庫県と41市町の計42議会のうち、71%の30議会が予定を含めて2018年度に報告会や意見交換会を開催。7割の21議会は車座になって意見を交わすワークショップ形式にしたり、常任委員会ごとに関連分野の団体と懇談したりしている。

 豊岡市議会は5年前、市内の計6カ所で報告会を始めた。自治会長らを通じて住民に呼び掛けたが集まらず、昨年度からはかばん業界や子育て中の母親グループなど対象を絞って参加を募る。市議は「議会に関心が高まれば、なり手不足の解消や活性化につながる」と期待を寄せる。

 西脇、三田、篠山市議会などは住民が発言できる雰囲気づくりを目指し、講話形式ではなく、ワークショップ形式を導入している。宝塚市議会は3月、市内にある大学に通う学生らに意見を聞く機会を設けた。

 一方、尼崎市議会は9月、報告会の開催を検討したが、「他の自治体で成果が上がっていない」として実施を見送った。町議会の一部は参加者の低迷や固定化を見越し、住民から要請があれば意見交換会を開催することにしている。

 全国市議会議長会によると16年に全国814市のうち過半数の442市の議会が報告会などを開催。11年の156市から大幅に伸びた。ただ、人口規模の大きな市ほど実施率は低く、政令指定都市は20市中3市のみ。県内の中核市以上では明石市議会だけが行っている。県議会は常任委員会を地域開催し、県内視察の際に住民らと意見交換している。

■中身の進化が重要

【同志社大大学院の新川達郎教授(地方自治)の話】住民と一緒に課題の解決を議論している議会もある。まさに政策形成の一端であり、住民からの理解も進む。有効なコミュニケーションを図るためには、開催の中身を進化させながら続けていかないといけない。