東京鉄鋼と伊藤製鉄所、関東に小棒共販会社 東北に続き「東京デーバー販売」、来年2月から業務

経営統合へ着実な一歩

 小棒電炉メーカー、東京鉄鋼(社長・吉原毎文氏)と伊藤製鉄所(社長・伊藤壽健氏)は24日、関東地区で小棒を共同販売する新会社「東京デーバー販売」を今月中に設立すると発表した。新会社の設立により東京鉄鋼の本社棒鋼事業部棒鋼営業部と伊藤製鉄所の本社営業部を統合し、来年2月に業務を開始する予定。両社の営業ノウハウを活用して販売・購買・物流業務の効率化や品質、納期対応力、顧客サービスの向上を図る。両社は経営統合に向けた協議を継続しており、4月27日に資本業務提携を発表。東北に続き関東でも共同販売を行うことで統合に向けた歩みを着実に進める。

 「東京デーバー販売」の販売品目は一般の異形棒鋼で、ネジ節鉄筋は含まない。本社事務所は「東京都千代田区神田小川町1―3―1NBF小川町ビルディング5階」に置く。資本金は1千万円で、出資比率は折半。社長には東京鉄鋼の形田猛取締役相談役、副社長には伊藤製鉄所の田中庄司取締役専務執行役員が就く。取締役には伊藤製鉄所の浅野修二本社営業部長、東京鉄鋼の横田知明本社棒鋼事業部副事業部長兼棒鋼営業部長が就任。

 役員を除く人員は両社からの出向による合計約10人でスタートする予定。新会社は両社から販売業務を委託して営業活動を行い、小棒の売上げは両社に計上する。共同購買に関しては東北と同じく合金鉄について協議を行う。

 東京鉄鋼は本社工場(栃木県小山市)と八戸工場(青森県八戸市)、伊藤製鉄所は筑波工場(茨城県つくば市)と石巻工場(宮城県石巻市)の各2拠点で小棒を生産している。

 両社は東北地区では2005年3月に「東北デーバー・スチール」を設立し、共同販売を行ってきた。今回、関東地区でも共販会社を設立することで、関東と東北で共同販売の体制が整う。

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