GSユアサの宇宙用リチウム電池、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号」に採用

 GSユアサ(本社・京都市南区、社長・村尾修氏)は24日、グループ会社のジーエス・ユアサテクノロジー(GYT、本社・京都府福知山市、社長・加藤泰一郎氏)製リチウムイオン電池が温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT―2)に搭載される、と発表した。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA、本社・東京都調布市、理事長・山川宏氏)は、今月29日に種子島宇宙センターから三菱電機(本社・東京都千代田区、執行役社長・杉山武史氏)製の温室効果ガス観測技術衛星2号を打ち上げる予定。

 GYT製の宇宙用リチウムイオン電池は、2000年代初頭に行われた軌道上での宇宙実証を経て、現在までに国内・海外の150機以上の宇宙機に搭載されてきた。その実績が高く評価され今回、採用された。

 「いぶき2号」は、09年に環境省と国立環境研究所、JAXAの3機関による共同プロジェクトとして打ち上げられた「いぶき」(GOSAT)の後継機。そのミッションを引き継ぎ、より高性能な観測センサを搭載して温室効果ガスの観測精度向上を目指している。

 世界各国で温室効果ガスを測定する人工衛星の開発・打ち上げが続いている中、「いぶき2号」の地球温暖化防止に向けた国際的な取り組みに、GYTの電池も貢献する。

 GYTは特殊用途の電池や電源を開発・製造販売している。「水深6500メートルの深海から上空3万6千キロの宇宙空間まで、海・陸・空の特殊環境フィールドにおいて、高性能かつ高品質な電池を供給している。今後も高性能リチウムイオン電池の開発・製造を通じ、宇宙開発事業へ貢献していく」(同社)。

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