つまみだけじゃない、パスタにも 「北三陸・タコとんびバル」

 「こんなのあるんだ!大賞」北海道・東北ブロック予選で1位となった「北三陸・タコとんびバル」は、タコの口をあぶってタレで味付けしたレトルト食品だ。

 タコと聞くと、赤い体に足8本、ねじり鉢巻き姿というイラストを思い浮かべてしまうのだが…あの突き出たちくわのような口のこと?

「北三陸・タコとんびバル」

 いえいえ、岩手県普代村の水産加工会社「越戸商店」の越戸秀子さんによれば、イラストと違い、足の付け根にあるのが口なのだそう。黒い歯がとんびのくちばしに似ていることから「タコとんび」と呼ばれる。1匹に1個の希少部位。まとまった量が手に入りにくく出荷にはなじまなかった。地元では「おでんに入れるとおいしい」というファンもいるが、あまり食べられていなかったという。

 越戸さんによれば「おいしいのは当然」らしい。魚や貝、カニだって食べてしまうタコ。口は筋肉が活発に動く部分のため身が締まり、うま味も濃縮しているのだ。このおいしさを手軽に楽しんでもらおうと、越戸さんが約2年かけて商品化にこぎ着けたのが「タコとんびバル」なのだ。

 家飲みのつまみにと、包装を開けると薫製の香りが広がった。ゴルフボールほどの大きさ。タコの口ってこんなに大きいのか…と感心していると、パッケージの注意書きにびっくり。「食べるのに夢中になり怪我(けが)をする場合があります」とある。黒い「歯」が固くて鋭いためだそうだ。

 では安全第一で…「歯」から身をはがして一口。弾力がすごい。かめばかむほどタコの甘みとレモンの風味が広がる。ビールがぐいぐい進む。進みすぎるので焼酎に移ったが、これにも合った。ワインや日本酒にも合うに違いない。

 大ぶりで身が厚く1、2個でもかなり満足。1個ずつのレトルト包装だから、残りはまた今度、と手軽に保存できるのもうれしい。

 食べてみた息子がふと思い付いたように言った。「これ、たこ焼きに入れてよ」。あ、いいかも。ちょっと大人向けの味わいになりそう。

 料理へのアレンジについて尋ねると、越戸さんは「刻んでパスタに入れてもおいしいんですよ」。つまみだけじゃもったいない。常備「食材」としても重宝しそうだ。

 (47NEWS 小森裕子)

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