FA補強目指すフィリーズはマチャドとハーパーのどちらを選ぶのか

フィリーズは今オフ、フリーエージェント市場においてマニー・マチャド(ドジャース)とブライス・ハーパー(ナショナルズ)の争奪戦に名乗りを上げることが予想されている。しかし、予想される契約規模を考慮すると、両者を獲得するのは不可能。どちらか一方を選択しなけばならなくなったときに、フィリーズはどちらを選択するのだろうか。

フィリーズのフロント陣のなかにオリオールズ出身の人物が数名いるという事情もあり、フィリーズはオリオールズ出身のマチャドの獲得を優先するのではないかと見られていた時期もあった。今季のフィリーズはJ.P.クロフォードの故障離脱もあり、正遊撃手として新人のスコット・キンガリーを起用せざるを得ず、キンガリーは打率.226、OPS.605とメジャーの投手の前に苦戦。正三塁手のマイケル・フランコは打率.270、22本塁打、OPS.780とまずまずの成績を残したが、フリースインガーである点や守備に不安を抱えている点に変わりはない。こうしたチーム状況を考えると、マチャド獲得は「ドンピシャ」の補強であると言える。

ところが、MLB公式サイトでフィリーズの番記者を務めるトッド・ゾレッキーによると、ポストシーズンにおけるマチャドの振る舞いにより、フィリーズのフロント陣のマチャドに対する印象が変わりつつあるという。一塁を駆け抜ける際に一塁手の足を蹴るなどダーティなプレイが垣間見えるマチャドに対し、総額3億ドル規模の超大型契約を与えることをフィリーズのフロント陣が躊躇する可能性が出てきたのだ。ゾレッキー自身も「(マチャドとの大型契約は)考え直した方がいいかもしれない」と主張し、敏腕記者として知られるケン・ローゼンタールも「マチャドはフィリーズが獲得したいと考えるタイプの選手ではないかもしれない」と指摘している。

となれば、フィリーズの本命はハーパーということになる。今季のフィリーズは右翼でニック・ウィリアムスとアーロン・アルテールを併用したが、ここにハーパーが収まれば大きなグレードアップとなるに違いない。ハーパーについてはナショナルズが再契約に向けて全力を尽くす方針であることが報じられており、熾烈な争奪戦が繰り広げられることになりそうだ。

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